内観写真はかなり重要! ホームステージングも手

売却の際は、不動産仲介業者に依頼し、物件の内外の写真を公開することになる。この写真も非常に重要だと長嶋さんは指摘。

「物件を探している人は、内観の写真を通して、その物件での自分たちの生活をイメージするもの。雑然としたありのままの部屋の写真を出すと、心象が悪くなります。薄暗い写真もNG。風通しが良く、開放感のある雰囲気を演出することが重要ですね。壁や床がボロボロだったりするとイメージがガタ落ちなので、あらかじめ壁紙を張り替えたり、床をワックスがけしたりするとベター。それほど手間をかける価値があるくらい、内観写真は重要なんです」

日本ではあまり浸透していないが、海外では物件を売る際、プロのインテリアコーディネーターなどに依頼して、モデルルームのように部屋を飾る「ホームステージング」も当たり前に行われる。日本でも、一部不動産仲介業者がサービスを手掛けているので、覚えておくとよさそうだ。

「ちなみに、最近は買い手の方も勉強されていて、事前にホームインスペクション(住宅診断)をしたいと希望されることも。必要十分なメンテナンスさえしていれば、売り手側がインスペクションをしておく必然性はあまりないので、買い手に希望されたら、快く協力する姿勢を見せることが大切だと思います」

▼将来有望!? 田舎に家を買うという選択

都心の好物件は高すぎる。地方で少し安い不動産を買い、当初は賃貸に出して、いずれ自分が住んでも……といった理想を持つ人も多いのではないか。

イラスト=柿崎サラ

「地方でも人口の流入が増えている自治体は少なからずあります。こうした自治体の不動産は、価値が落ちにくいので狙い目です」と長嶋さんは話す。

人口が増える自治体の多くに共通するのは、本当に子育て世帯に寄り添った支援策を打ち出しているところ。たとえば、埼玉県滑川町(なめがわまち)では、給食費を中学校まで無料にし、医療費を高校まで無償にするなど、手厚いバックアップ体制を整えている。また、群馬県大泉町のように外国人と共生する環境づくりを試みる自治体や、アートなどで町おこしに成功した自治体なども期待値は大。

「ほどほど都会がよければ、地方で今最もホットなのは福岡市。すでに値上がりしていますが、若い40代の市長が頑張っていて、中国や韓国から近いという地の利があるのも魅力です」

不動産は保有するだけでコストがかかる難しい投資対象。しかし、将来性のある地域に物件を持てば、大幅な値上がりも期待できるだろう。

長嶋 修(ながしま・おさむ)
不動産コンサルタント
業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」の創業者、現会長。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。近著に『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』(日経プレミアシリーズ)。

イラスト=柿崎サラ