豊かで安心なセカンドライフの実現に向けて、現役世代が取り組むべきことは何か。長寿化時代における賢い備えについて、三菱UFJ信託銀行の小谷亨一氏に語ってもらった。
小谷亨一(こたに・こういち)
三菱UFJ信託銀行
トラストファイナンシャルプランナー

退職世代の金融資産 日本と米国で大きな差

──セカンドライフへの備えについて、これからの時代はどんな意識が求められるでしょうか。

【小谷】長寿化に伴って「健康寿命」の重要性が指摘されていますが、加えてこれからは“資産寿命”という観点がいっそう大事になってくると考えています。充実した暮らしを続けられるだけの資産をいかに維持していくかということです。

一般に、ゆとりあるセカンドライフを送るには、公的年金以外に月10万円程度、年間で約120万円は準備しておきたいといわれます。つまり単純計算で、寿命が10年延びれば1200万円、20年なら2400万円が必要。資産寿命を延ばす取り組みは、セカンドライフを迎えるすべての人に共通の課題といえます。

──実際、取り組みは進んでいるといえるでしょうか。

【小谷】今年、金融庁が興味深いデータを発表しました。日米の退職世代等の金融資産を比較したものです。それによれば、積立投資信託や確定拠出年金などによる運用が当たり前の米国では、この20年で世帯あたりの平均資産がおよそ3倍にも増加していました。かたや日本は20年前と比べて1.5倍に留まっています。全体で見れば、資産づくりの取り組みは進んでいないと考えられます。

──ただ具体的な準備となると、個々の家庭でやるべきことは異なりますね。

【小谷】おっしゃるとおり、今の時代、「夫婦と子供2人で持ち家に住む」といったモデル世帯を想定して物事を語ることはできません。資産形成においても標準的なモデルはないと考えたほうがいいでしょう。それぞれのライフスタイルに合わせた対策が必須です。

──まず何から始めるべきでしょうか。

【小谷】ライフスタイルが多様化する一方、金融商品や投資手法も多様化し、それぞれの目的に応じて選べるようになっていますから、まずは具体的なプランを立てることが第一歩。それを前提として最も意識すべきは、やはり早期対策です。先ほどお話しした20年で3倍という米国の例からも長期的な視点が大事なのは明らか。例えば、現役のうちからiDeCoや積立投信を活用したり、財形貯蓄のように個人で年金積立を行ってもいいでしょう。

また退職金をどう運用するかも重要です。各金融機関が有利な運用プランを用意しているので注目しておきましょう。10年以内に使うお金、それ以降に使うお金。そんなふうに色分けして運用するのも賢い方法です。

寿命が延びることで不確実性も高まる

──セカンドライフにおいては、住まいをどうするかも重要なテーマです。

【小谷】まさに“不動産寿命”をいかに延ばすかという視点が求められます。私たちの寿命がかつてより20年長くなれば、住まいに必要なメンテナンスの回数も変わってきます。

また、住み替えや不動産活用、売却、高齢者向け施設への入居といったことを考えれば、資産を受け継ぐ子世代、さらには孫世代も一緒に検討を進めることが求められます。当然、相続の問題も関係してきます。親世代が90歳以上、子世代が60歳以上となれば、孫世代に直接承継を行うケースも増えてくるはずです。

──不動産についても、早期対策が必要ということですね。

【小谷】そのとおりです。資産承継にしても、不動産承継にしても、寿命が延びるから準備にも余裕ができるかといえば、むしろ逆です。第2の人生が長くなれば、それだけ予想外のことが起こる可能性も高まるわけで、不確定な事態に対応するために早くからの備えがより重要になると考えられます。

──相続対策については、どのようなことに留意する必要がありますか。

【小谷】円満な相続のためには、遺言や遺言代用商品で親が自らの意思を示し、その意思に法的効力を持たせることが一つのポイントです。例えば、これからの時代は親族外の介護貢献者に報いたいといったニーズも高まるでしょう。また、認知機能の低下に備えた民事信託や後見制度の活用なども検討すべきテーマだと思います。

現在、国もスムーズな老後資金の準備や相続の実現に向け、民法改正や税制優遇の導入を積極的に進めています。この辺りも知っている、いないで大きな差を生む場合がありますから、しっかり注視しておく必要があります。

──人生100年時代を支える信託銀行の役割について、最後にお願いします。

【小谷】退職後のお金の備え、不動産対策、相続対策。これらはすべてつながっています。それをワンストップでサポートできるのが私たちの強み。専門的な知識と幅広い商品・サービスを揃えた三菱UFJ信託銀行では、お客さまのパートナーとして2人3脚、さらにお子さま世代、お孫さま世代も含めた3人4脚、4人5脚で総合的な支援を行っていきます。定期的に相談会なども実施していますので、ぜひ2世代、3世代でお越しになり、準備開始のきっかけとしていただければと思います。

●お問い合わせ先/三菱UFJ信託銀行株式会社
https://www.tr.mufg.jp/
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