さらに興味を持ったのは、「人々が正しいことを選べなくなる瞬間はなぜ起きるのか」ということ。戦争や人種差別、紛争……。歴史の失敗例を学ぶことで、リーダーや組織のあり方を改めて考え直す機会になり、復帰後は仕事にも新たな発想が生まれている。

「また3年くらいしたら、集中的なインプットの時間を持ちたい。リーダーになる人にこそ必要な時間かもしれませんね」

その人がどれだけの人かは、人生に日が当たっていないときにどのように過ごしているかで測れる。日が当たっているときは、何をやってもうまくいく。
―勝 海舟―


●Kaishu Katsu(1823~1899)
幕末から明治初期の武士であり、政治家。10代から剣術や禅を学び、地理学や兵学を研究して蘭学塾も開いた。ジョン万次郎や福澤諭吉とともに遣米使節として渡航。江戸幕府の家臣でありながらも、世界に目を向け広い視野で日本の未来を考え、坂本龍馬、西郷隆盛とともに明治維新の立役者となった。
当時の私
抗がん剤治療など約半年間の闘病を乗り越えたとき、仲間たちが誕生日をお祝いしてくれました。仕事を離れることは不安で仕方なかったけれど、素晴らしい仲間たちに囲まれたおかげで復帰することができました。

撮影=工藤朋子