もし落としきれずに水虫になってしまったら、自己判断・自己治療は危険だと花房先生は言う。

(左)趾間型水虫/指の間の皮がむけてかゆみを伴う。進行すると赤くジクジクして、浸出液を伴う。
(右)爪水虫/爪が変色して厚くなり、ボロボロと欠ける。水虫が爪に移行する前にしっかり治療を。

「水虫に似た症状の皮膚疾患もあり、自己判断で市販の水虫薬を使用しても改善しないことも。水虫のような症状があれば、まずは皮膚科の受診を。自己判断での水虫の寛解率は10%程度。医師の診断による適切な薬の使用で完治させることが大切です」

足はいつも清潔に保ち、オフィス内では、時々靴を脱ぐのも水虫対策には有効のよう。

▼水虫の種類
【趾間(しかん)型】
もっとも多いタイプで、足の指の間の皮がふやけ、強いかゆみをともなう。
【小水疱(しょうすいほう)型】
足裏や側面に小さな赤い水疱が多発し乾燥して皮がむける。かゆいことも多い。
【角質増殖型】
足裏の角質が厚くなり表面がごわつく。かかとがひび割れることも。かゆみは少ない。
▼水虫症状チェック
○足の指間がムズがゆい
○足の皮がむけている
○足裏に小水疱がある
○足裏が角質でザラザラし、ひび割れることもある
○足の爪が白濁してきた
1つでもあるなら、即受診を!
▼感染原因は日常生活の中に……
(1)高温多湿の環境で増殖
・通気性の悪い靴を履き続ける
・雨などで足がぬれたまま靴を履き続ける
(2)水虫罹患者との二次接触
・家族と足拭きマットを共有して感染
・ジムや温泉施設などのマットから感染
・居酒屋などの畳、スリッパから感染
▼感染予防には……
(1)毎日同じ靴を履かない
(2)靴を乾燥させる
(3)足拭きマットやスリッパを共有しない
(4)帰宅したら足をせっけんで洗う
(5)足をよく乾燥させる
(6)靴下やストッキングは毎日取り替える
(7)オフィスでは時々靴を脱ぐ
花房火月(はなふさ・ひづき)
はなふさ皮膚科理事長
皮膚科医。一般的な皮膚疾患から難治性の皮膚疾患、さらにシミ・シワなどの美容皮膚科分野まで、患者とじっくり向き合いながら、症状を改善する最良の治療に取り組むと評判。傷痕が目立たない皮膚外科手術にも定評あり。2015年、ジャパンタイムズ紙による「アジアの次世代リーダー100人」に、日本人皮膚科医として初選出された。

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