20~30代はマンモグラフィーより乳腺エコー

さて、女性特有の病気である子宮がんや乳がんの検診は、いつから、どのくらいの頻度で受けるべきだろうか。

「子宮がんの7割を占める子宮頸がんの細胞診は、20代後半から2年に1回が目安です。医師が子宮粘膜の細胞を採取する方法と自分で採取する方法がありますが、自分では採取・保管方法の不備もありうるので、なるべく医師採取を選択してください」。なお、HPVというウイルスの感染が子宮頸がんの発症につながることがわかっているため、HPV感染の有無の検診を併用するのも有効だ。

乳がん検診のマンモグラフィーは、「40歳以上で2年に1回の受診が望ましい」。20~30代では、マンモグラフィーを受けてもがんが乳腺組織に隠れて見えないことが多く、被ばくのリスクのほうが高い。心配なら、「20~30代は乳腺エコー(乳腺超音波検査)がよいでしょう」。40代以上もエコーとマンモグラフィーの併用がよいという。

マンモグラフィーといえば、「痛みを伴う検査」で知られているが、圧迫の痛みを取り除く検査装置の開発も進んでいる。2017年9月、島津製作所はうつぶせになって乳房をホールに入れるだけで検査を受けられる乳房専用PET装置「Elmammo Avant Class」を発売した。日立製作所でも、360度から超音波を照射する乳がん検診装置の20年の運用を目指している。今後乳がん検診のハードルは下がっていきそう!

健康診断の結果は、各項目が健康の目安である「基準値」の範囲内か確認する。「要受診」「要再検査」「要精密検査」の場合は必ず指示に従おう。毎年結果を保存して経年変化をチェックすることも大切だ。健康な体があってこそのキャリア。1年1回の受診を心がけたい。