最難関女子校出身者は、そんなに「男を見る目がない」のか?
フジテレビ系列の情報番組『とくダネ!』のMCとして活躍するタレント・菊川怜さんが結婚を発表した。報道によるとお相手は、カカクコムやクックパッドの社長などを歴任した投資家・穐田誉輝(あきた・よしてる)氏だということで、「あの才色兼備の菊川怜がとうとう結婚! しかもその相手が穐田氏とは!」と世間が色めき立ったのは4月下旬。だがその後、週刊文春が穐田氏の離婚歴や複数の婚外子の存在などを報じ、お祝いムードは一気に鎮魂葬送ムードへと急降下した。
こうなるとすぐに出現するのが、「もともと負け犬キャラだったわけだし、桜蔭→東大で勉強ばっかりしていた女なんて、やっぱり男を見る目がないよなぁ」というコメント。女子校で育ち、まして東大に合格するような女など、さぞかし恋愛経験が乏しくて女として「欠けている」だろう、というのが根拠らしい。
「やっぱり」って何だ、そんなにそういうピンポイントな学歴を持つ女性の恋愛実態をマニアックにご存知なのか、それは単に「桜蔭・東大卒なんてイヤミな学歴を持つ美女」には「男を見る目がない」方が気味がいいとか据わりがいいとかで何らかの溜飲を下げたいだけじゃないのか……と、つい物書きとしては気になってしまうのである。
というわけで今回も余計なお世話と重々承知しつつ、本日の脳内エア会議のお題は「最難関女子校出身者には男を見る目がないのか?」でございます。
我らが菊川怜ちゃんを「トロフィーワイフ」にする男?
穐田氏には婚外子が4人いるらしいが、あのイケメンぶりに加えて総資産200億円と聞けば、さもありなん。女性が放っておくワケもなく、そんな競争率の高い物件を“承知の上で”手中に落としたとなれば、「よくやった! さすが怜ちゃん。よかったよかった!」と、私などは彼女のために勝手に祝杯を挙げたいくらいだ。
ただ、恋愛大国フランスと異なり、ここは離婚やら不倫やら婚外子やらは問答無用でネガティブ要素である日本。余計な文春砲が炸裂したおかげで、怜ちゃんは朝の情報番組MCとして針のムシロの上にいるらしい。
しかも「やり手投資家が落とした才色兼備タレント」と、怜ちゃんをトロフィーワイフ扱いする記事もある(参考:日刊ゲンダイ「4人目婚外子も……菊川怜が選んだトロフィーワイフの幸せ」2017年5月20日)。いやいやいや、私からすれば「どっちがトロフィーだと思ってんの?」という話である。
東大卒の経歴がクローズアップされる怜ちゃんだが、同じ桜蔭という、女子校で東大合格者数日本一という“最強(最恐)女子校”出身者で「ガリ勉ばっかり」「制服がおばさんっぽい」「たまに美人がいるけどもれなく可愛げがない」と世間から「女のくせに勉強ができる」ことを腐され続ける特殊な中学高校で思春期を過ごした立場からすると、怜ちゃんが世間へ受け入れられ人気を手にしていった過程を想像するだけで、桜蔭OGとしてその苦労を偲び、涙を隠せない。
桜蔭はさすが進学校だけあり、卒業生たちは医師・法曹界・官僚・金融・マスコミ・その他大手民間企業、思いつく限り日本のあらゆる「エリート層」に散らばっている。桜蔭OGに限らずだが、こういう、男性と同等かそれ以上に活躍できる女たちがどういう男選びをするか。外見が女だからって勘違いしてはいけない。彼女たちの男選びがほぼ「普通の男が女を選ぶときと同じ」だということに、なぜ想像がつかないのだろうか。菊川怜が彼女の才能と稼ぎをもってなお39で選び取った男とは、資産が何百億だろうが間違いなく「トロフィーハズバンド」なのだが、そういう発想に世間はまだ気づいていない。