社会規範に捉われない子育てを。自分たちの幸せをもっと優先して

【川崎】私は娘二人に、いざというときにお金を使えるママの後姿を見せてます。たとえば寒いときにタクシーを使うとか、疲れたから2日連続で美味しい外食とか。「それが働くママのメリット。2人ともよく見ておくがいい」って(笑)。外食が続いてもピザが続いても、私が卑屈な思いになっていないので、家族が卑屈にならない。

――お母さんが卑屈にならない。それ、すごく大事ですよね。

【河崎】卑屈になる必要なんかないですよ。だって海外のお母さんは、毎日ピザですもん(笑)。旦那さんたちも「イクメンだよ!」って子どもを迎えに行くけど、料理はしないからやっぱり冷凍ピザ。でも帳尻を合わせるのがすごくうまくて、「土日にちょっといいのをつくってあげる」って。自分たちが家族経営する方法はそれぞれで、自分たちが幸せならいい。お父さんお母さんの仕事がなんであれ、ですよ。日本は「父はこうあらねば」「母はこうせねば」「子どもは……」って、「ねば」が強いけれど、その「正しい」はずの社会規範の中で、じゃあなんで今こういう状況になっているんでしょう? っていう。

河崎環『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)

【川崎】世界一の少子化、世界一の長寿大国、子どもが生まれない老人大国。

【河崎】こんな社会のままだったら、それは女性がもつわけがない。男性もやっぱりもたない。社会も持続可能じゃない。

【川崎】世界で最も家事に手間をかけてる国ですからね。

――SNSで弁当とか見ると、すごいですよね、みんな。

【川崎】私のように32歳までサボテン枯らしていた女からすると……。

【河崎】サボテンって枯れるんですよね~。

――私も枯らしたことあります(笑)。