そもそも中を見せてくれない施設はアウト

保育施設の見学はたいていどこでもさせてくれますが、「子どもが不安定になる」「衛生上問題がある」などの理由で保育室をまったく見せてくれない施設もあります。

しかし、わが子が1日過ごす場所を見ないで預けるなどということは、おかしなことです。衛生面の配慮から0歳児の部屋は立ち入れないという施設でも、ガラス越しに中が見れるようになっているのが普通です。

1秒たりとも見せられないという施設には見せたくない理由があるのかもしれません。保育室を見せてくれるかどうかは、やはり信頼性の点で大切だと考えます。

入園後、送迎のとき玄関で子どもと荷物を受け渡しする施設があり、保護者から「ラクでいい」と好評だったりするようですが、私には疑問です。送迎時に子どもが生活した環境を見ることは、いろいろな情報が得られて安心できますし、密室化しがちな保育室の「見える化」は大切だと思います。

園庭がないことをどう考えればいいのか

最近は、認可保育園にも園庭のないところがふえてきました。でも、園庭があったほうが、子どもが楽しいし、保育士さんもラクだし、何よりも教育的に豊かな保育を実現しやすいのは確かです。幼稚園の基準では、園庭は必ずなければならないことになっています。

特に3歳以上児は、なるべく園庭のある施設に通えるようであってほしいというのが、私の正直な気持ちです。整備する自治体には、園庭をできる限りつくらなくてはいけないという意識をもってほしいと思います。

でも、待機児童問題が深刻な都心部などには、実際それが難しくなっている地域があります。また、「うちの園は園庭がなくてもとてもいい保育をしているので、満足しています」という保護者の声もあります。

園庭も、保育の質の一部でしかなく、それだけで保育を評価できないのは言うまでもありません。では、園庭がないというデメリットはどのように挽回できるのでしょう。