【3.接客】お客さまの数だけ答えがある
●大和ハウス工業 秘書室 次長・谷岡紀子さん

会長の樋口は熱血経営者で知られますが、豪快にして繊細。細かなことに気づくタイプです。たとえば会合に参加する際、どんな会で誰が参加するのか細かく聞かれます。答えられないでいると「何年秘書しとんねん」ということに。また、お客さまの好みも把握していて「この人紅茶やで」とこっそり教えてくれることもあります。接客はお客さまによって正解がちがうもの。「臨機応変に、自然体で」を心がけています。

お会いするお客さまのリサーチはチームで行い、いつ樋口に伝えるか、スケジュールをにらみながらベストタイミングを考えます。同じチームの受付担当は部屋の温度や机の配置を確認したり、お客さま専用のエレベーターを呼んでくれたり。気持ちいい接客は、連携プレーで成り立っているんです。

【写真左】大和ハウス工業 秘書室 次長・谷岡紀子さん/1992年、大和ハウス工業に入社。2年半後から秘書室勤務。1998年に当時大和団地社長だった樋口武男氏の秘書になって以来17年間、名物経営者の秘書を務めてきた。フルマラソンを5時間半で完走。体力づくりも抜かりない。【写真右】中にいる人が心の準備ができるように、ゆっくり丁寧に……。
【接客の気配り3つのポイント】

●接客は電話に始まる
アポイントの電話から接客は始まっていると考えています。この会社の秘書室は電話をかけやすいと思ってもらえるよう丁寧な対応を。
●ノックはゆっくり3回
ドアのどこをたたけば心地よい響きが出るかを研究。中にいる人が驚かないようにゆっくり3回たたくのが大和ハウス流です。
●凡事徹底の精神で
樋口はよく「凡事徹底」という言葉を使います。小さな当たり前のことを徹底する。秘書の仕事はその積み重ねなのですが、案外難しいんです。