「自己表現」の意識と「信頼感」の獲得は比例する

「自己表現」が周囲の「信頼」とどう関わるのか。それを調べるために、まず他者評価としての「信頼感」の調査をしました。調査対象は大学生。彼らに一番最近受けた授業と、その授業を担当した先生のことに対して、4段階で評価してもらったのです。評価項目は、日本、アメリカ、韓国の3国で共通に挙げられた「信頼」を形成する10要素です。(作表の「教師の非言語的パフォーマンスと学生との関係(質問紙)」参照)

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教師の非言語的パフォーマンスと学生との関係(質問紙)

さらにその後、該当する先生に、自身の「自己表現」の状態を尋ねました。すると面白いことが分かりました。

先生に尋ねた「自己表現」とは具体的に、(1)意思伝達を表現する身振り・姿勢などのキネシクスと言われる分野、(2)身だしなみなどの外見分野、(3)あいづちなどの相互作用分野、(4)笑顔、(5)アイコンタクトの5分野です。

これらの「自己表現」のスコアと、学生が評価した「信頼感」の間に、相関関係が高いことが分かったのです。しかも、それらの中でも特に「笑顔」と「アイコンタクト」の得点が高いことが判明しました。

「信頼」を得る自己表現のポイント~笑顔とアイコンタクト

この3国の共同研究から導き出されたのは、「笑顔」と「アイコンタクト」のポイントが高くなれば印象がよくなり、信頼されたり、尊敬されたり、総じて「好意」を持たれる可能性が高い、ということです。

ビジネスにおいて、第一印象で好意的なイメージを相手に与えることの重要性は連載第1回で伝えたとおり、とても大切なこと。そのためには、営業資料もさることながら、まずは顔の表情、特に「笑顔」と「アイコンタクト」が優先するということを覚えておいてください。