【鈴木】当社もE評価がつくと「今のポジションにはいられないと思ってくれ」という警告がされて、実際いられなくなるシステムがありますね。

【山田】ウチにもあります。でも、本当に評価が低い人に限って警告されても居残るんですよね。

【鈴木】それをハイパフォーマーがカバーしている。今後、各社にホワイトカラーエグゼンプションが導入された場合、生産性の高いハイパフォーマーをきちんと評価してあげることが肝要だと思います。当社の場合、他のメンバーをサポートしたり自分のノウハウを誰かと共有する社員は、「360度評価」できちんと評価されていますが、これがない限り、働き損になってしまう。

【相川】そうですよね。役職もないのに、後輩に仕事を押しつけてサボる社員もいますからね。

【鈴木】ええ。それで不公平を訴えて人事部に相談に行く人が結構いる。でも、人事部が物事を解決したことはただの一度もない。

【鈴木】また、ホワイトカラーエグゼンプションを導入すると、産休を取る社員が出るなどで部署が一時的に忙しくなる場合に問題が生じる可能性が高い。

【山田】結局、誰かがその穴埋めをするのですから残業が増えざるを得ませんもんね。

【鈴木】ところが安倍内閣の労働者派遣法改正案では、派遣元から将来的に正規雇用するよう依頼されて簡単に雇うことができなくなる。これは問題だと思います。

【山田】そうですよね。結局、ホワイトカラーエグゼンプションは、社員一人ひとりの職務範囲と評価基準が明確な会社に導入することが前提だと思います。

――そうでなければ、単なる「残業代ゼロ」による人件費削減策に終わってしまうというわけですね。

Dear Prime Minister
ホワイトカラーエグゼンプション導入は土壌を整えてから