「強さ」を演出する

ビジネスにおける強さは仕事ができるかどうかに尽きます。ただし、自分から「私は仕事ができます!」ということをアピールするとあまり快く受け入れられないので注意が必要です。特に「女性は謙虚であるべき」という古典的ステレオタイプの女性像を持っている人には逆効果でもあります。

強さのアピールはまずは外見です。服装はもちろん、持ち物、仕事のツールなどにも気を配りましょう。服装なんてうわべだけの底が浅いテクニックだと思う方もいるかもしれません。しかし、プレゼンスを評価される時に大きな役割を果たします。おしゃれに装え、と言っているのではありません。服装は美的センスではなく、どんな集団に属しているのかを表しているのです。

自分の仕事におけるプロフェッショナルらしさを表す服装を戦略的に考えましょう。一般的に服装はフォーマル度が高い、つまり格が高いほど「強さ」を感じさせます。相手にとってだけではなく、自分自身も適切な衣服を身につけることによってプレゼンテーションに対する自信を得ることができます。

余談になりますが、多くの女性リーダーの方にお会いしてきましたが、強さをきちんと感じさせる服装をされている方には、実はなかなかお目にかかれません。本人のキャラクターと合っていないフェミニンすぎる服装だったり、地味過ぎる方などもいました。適度な「華やかさ」は強さの表現につながります。

また、若い女性は近年のオフィスファッションのカジュアル化にともない、ややくだけた服装が多いようです。強さをきちんと表現できているかどうかという観点ではカジュアルな素材やだぼっとしたシルエットは格が低いため、ここぞというプレゼンテーションには、格を意識した服装選びを心がけましょう。

強さの表現の2つ目は、信頼足りうる能力レベルかどうかを具体的に見せることです。自己紹介やプロフィールでは、実績をできるだけ数値にします。自分のキャリアにおいて数値化できるもの、キーワード化できるものを探してください。これらを、

(1)自己紹介として自分で冒頭に話す
(2)プロフィールに記載しておく
(3)司会に紹介してもらう
(4)上司に紹介してもらう

……などプレゼンテーション前に何らかの形で聞き手に伝わるよう、仕込んでおきます。自分で言いにくい場合には、(3)、(4)など人から言ってもらうのも効果的です。