嫉妬よりもっと怖いのは「恨み」

最もやってはいけないのは、嫉妬が原因であなたの悪口を言った相手を悪口でやり返すことです。我慢がならないほどの侮辱を受けた場合は上司や人事部に相談するべきで、相手と同じ土壌で勝負をしてはいけません。人脈と実力を駆使して勝利を収めたとしても、逆恨みされかねないからです。弱者が強者に対して抱く恨みは、すぐには晴らすことができないだけに強烈かつ深刻なものになります。

本当に怖いのは「妬み」ではなく「恨み」だと思います。妬みによる被害は、職場で嫌味を言われたり根の葉もない噂を立てられたりする程度ですよね。軽度かつ一時的なもので、耐えられないほどではない。

一方で、恨みが引き起こす厄災は計り知れません。一般に、ひがみっぽい人間は恨み方も半端ないですよね。仕事中だけでなく、プライベートの時間や家族まで攻撃の対象になる恐れがあります。しかも恨みは長期間にわたります。どちらかが会社を辞めた後にも一方的で陰湿な復讐が続くかもしれません。いやー、怖いですね。ぜひとも回避しましょう。

以上をまとめます。「妬みの対象から憧れの存在に変わる可能性を検討する。無理ならば、嫉妬しそうな相手からは距離を置き、恨まれることだけは絶対に避ける」。恐ろしい野生動物に接するような心構えですね。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/