決断を導く言葉

そんな理性を吹き飛ばす言葉があります。

「私は特に子ども好きじゃないけれど、あなたの子どもなら作ってもいいな。とってもかわいいと思うから」です。

というか、子どもがほしいと願う前提には、この気持ちがあって当然ですよね。優秀な子どもが産めるのであれば父親は誰でもいい、なんていう女性が少数派であることを信じます。

「この仕事をやり遂げてから」と子作りを先伸ばしする男に対してはどうすべきか。こんな殺伐としたやりとりをする前に、「あなたはすごくいい仕事をしていると思う。尊敬している。今後、もっと成功するよ」と伝えましょう。信頼している賢くてかわいい妻から何度もそんなことを言ってもらえたら、男の自信は急上昇ですよ。

仕事への活力がわいてくると同時に、今夜のベッドでも雄々しくなりそうです。「ゴムはもう必要ない。できたらできたでいいじゃないか。何とかするよ」という男らしい一言が飛び出るかもしれません。

会社のアホ男とか幼馴染のダメ男も褒めて持ち上げろ、なんて言っているわけではありません。そいつらにはビシビシと直言してやりましょう。でも、恋人や夫だけは別です。人間と人間であると同時に、男と女であることを忘れないでください。男が子作りと子育てを決意するには、大きな自信と安心、そして心優しくて女性的な妻が必要なのです。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/