「子育ての相談」でわかる園のスタンス

(4)保護者と連携し支援する質

子どもが入園すると、保育園とは一緒に子育てをする関係になります。保護者も保育園を理解し保育に協力する必要がありますが、保育園も保護者の仕事や生活を理解し応援してくれていなければ、うまくいきません。

□ 母親が働くことを応援してくれているか。仕事の事情などに柔軟に対応してくれそうか。(園長などとの会話や掲示されている園だよりなどから感じられる)
□ 連絡帳はあるか。
*3歳児クラス以降は連絡帳がなくなる園もあるが、代わりにどんな連絡手段をとっているのか確認。
□ 保護者懇談会、個別面談、保育参加(保育参観)などが行われているか(子どものようすや保育内容についてよく伝えてくれるほうが安心)。
□ アレルギー対応、冷凍母乳その他、対応してもらいたいことがある場合は相談してみよう。
□ 「アレルギー対応には医師の診断書が必要です」「座薬は預かれません」など、厳しくても子どものために必要なことは、保護者にきちんと伝える。

当日渡される保育園の「入園のしおり」などの資料からわかることもあると思いますが、全部を確認するのは難しいかもしれません。

あまり細かいことに気を取られてしまうと、全体の印象がわからなくなることもあります。園長先生はいい人だったか、クラスの先生は快く見学させてくれたか、子どもたちの表情など、全体的な印象も大切です。

案内してくれる先生には、何でも思い切って質問してみましょう。子育ての相談などもしてみると(おむつはずしはどうしたらいいのかなど)、保育園の考え方がわかります。子どもの発達過程をふまえた専門性のある説明ができるかどうかでも、その園の質がわかります。

保育園を考える親の会代表 普光院亜紀
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『働くママ&パパの子育て110の知恵』(保育園を考える親の会編、医学通信社)ほか多数。