東京都が18歳以下の子ども1人につき一律で年間6万円を支給するという「018サポート」。12月15日が今年の申請締め切り日だが、ものすごく煩雑で難しいとの声が多い。子ども6人を育てるFPの橋本絵美さんも、実際に申請してすごく苦労したという。「申請しなければもらえない」この制度。自身の経験を踏まえて、締め切り直前、駆け込みに申請に失敗しない「018サポート申請攻略法」を伝授する。

申請しなければもらえないのに手続きが複雑すぎ

東京都が独自に実施を始めた「018サポート」は所得制限なしで18歳以下の子ども1人につき年6万円を一括支給してくれるありがたい制度です。6人の子どもを持つわが家にとっても、とても助かる制度なのですが、申請しないと支給されず、その申請手続きがとんでもなく手間がかかり、面倒なのです。

最初からスムーズにできたという人はラッキーな方か、根気強い方かもしれません。私自身も申請にいたるまで、相当苦戦しました。来年1月支給分の締め切りが12月15日と迫っています。これから申請をされる方のために、私自身の経験をふまえて018サポート申請がスムーズに進む攻略ポイントをお伝えします。

018サポートの申請は基本的にはオンライン申請となります。窓口はなく、郵送申請もできますが、コールセンターに電話をし、申請書類を取り寄せなければいけません。オンライン申請はPCからでもスマホやタブレットからでも可能です。018サポート公式ホームページにアクセスし、指示通りに進めば申請が完了するのですが、これがなかなかスムーズにいかないことが多いのです。

まず必要書類・申請方法の確認をしよう

東京都福祉局の018サポート公式ホームページに入ります。

すぐに「新規申請はこちら」にいきたいところですが、先に緑色の「~まずはここから! 必要書類・申請方法を確認」をクリックし、必要書類と申請方法を確認してください。

これは利用者の「申請がわかりにくい!」というクレームから生まれたボタンです。当初はありませんでした。ネットでの手続きは慣れているし、ここは飛ばしても大丈夫だろうと最初から新規申請に進むのではなく、このボタンを押して、事前確認をしておくことが申請をスムーズに行うポイントとなります。「必要書類・申請方法を確認」と書いてはいますが、ここで確認すべきことは必要書類と申請途中で入力が必要になる「対象者区分の確認」がメインであると思います。

なぜ、こんなに質問がわかりにくいのか

質問に答えていくと最後に対象者区分と必要書類が表示されるのですが、ここでの質問の聞かれ方が個人的には少しわかりにくいという印象を受けました。

【図表】現状の質問:質問の意味がわかりにくい

↓質問の仕方は、こちらの方がシンプルではないでしょうか⁉

【図表】こう聞けばわかりやすいのに

また、あとから出てくる質問では複数選択可の記載があるにもかかわらず、答えを一つしか選択できません。

【図表】複数選択可とは

子どもが複数いて、それぞれの子どもで状況が異なる場合は再度入力し、一人ずつ区分を確認しなければいけません。

あとで入力が必要なことを先に言ってよ

「対象者区分」はあとで入力が必要なのに、教えてくれないそもそも区分の入力が申請時に必要であるということを申請される方が認識していないと区分が表示されても何のことだろう? とスルーしかねません。区分の下に小さく書かれてはいますが、申請の際に必要になるので区分は必ずメモをするようにしてください。子どもが保護者と生計を一にし、都内に同居している場合はA27-1となります。

ここまで来たのにやり直し…必要書類の準備が面倒

子どもが保護者と生計を一にし、都内に同居している場合では、申請に必要な書類は以下の3点となります。

1 申請者の本人確認書類
2 振込口座を確認できる書類
3 申請者と子どもとの家族関係を確認できる書類

準備するだけなら大した手間ではないかもしれませんが、申請にあたってはいくつか落とし穴があるので一つずつご説明します。

1 申請者の本人確認書類

申請者の本人確認書類としてマイナンバーカードを使って本人確認をしようとするとTRUSTDOCKというアプリが必要になります。マイナポータルアプリは使えないので、TRUSTDOCKアプリを入れていない人はダウンロードをしなければいけないというひと手間が発生します。

また、マイナンバーカードを使用する場合はマイナンバーカードを受け取った際に設定した4桁の利用者暗証番号、または署名用パスワード(英数字6文字以上16文字以下)が必要です。一定回数以上入力を間違えるとロックがかかってしまうので注意してください。

運転免許証、パスポート、障害者手帳、在留カード、各種健康保険証、国民年金手帳など他の書類でも本人確認書類として使用することもできます。ただし、マイナンバーカード以外の場合は2点必要で、そのうち1点は住所の記載があるものに限ります。

健康保険証を使用する場合、被保険者等記号・番号・枝番、保険者番号、二次元バーコード等のマスキングをしなければいけません。住民票を使用する場合もマイナンバーや住民票コードが記載されている場合は、マスキング(データが読まれないようにする処理)をしなければいけません。これも地味に手間がかかります。

また、免許証や健康保険証など裏面に住所が書かれている場合は表裏両面の提出が必要になります。

2 振込口座を確認できる書類

振込口座を指定するだけではなく、口座を確認できる書類の提出が必要になります。振込先は申請者または対象となる子どもの口座のどちらかが可能です。確認できるものとして使用できるのは、通帳の写しやキャッシュカードですが、ネットバンクなどで通帳がない場合には口座番号や名義が書かれたページのスクリーンショットでも大丈夫です。

3 申請者と子どもとの家族関係を確認できる書類

特につまづきやすいのがこの申請者と子どもとの家族関係を確認できる書類です。

子どもとの家族関係を確認するために健康保険証を使用することが多いかと思います。ただし、ママが申請をしていたのに保険証にパパの名前が記載されている場合には家族関係を確認することができません。その場合はママと子どもの両方が記載された住民票を準備するか、申請者をパパに変更して申請をしなければいけません。ママが申請しようとして途中まで進めたのに、ここでやり直しになったというケースをよく耳にしました。

すぐに申請画面に入れない…待たされたうえに登録まで

対象者区分が確認でき、必要書類もそろえたら、よし! 申請するぞ! と思って新規申請ボタンを押すと……

このような表示が出てしまうことがあります。(出ないときもあります)アクセスが集中すると待ち時間が長くなってしまいます。ここで手が止まってしまいます。

しばらくして入れたと思ったら、018サポート公式ホームページへのユーザー登録画面が出てきます。メールアドレスとパスワードを設定してメール認証を行うとユーザー登録が完了します。これ自体はそんなに難しくはないのですが、やはり少々手間な気がします。簡単な申請のつもりがわざわざユーザー登録をしないといけないのかな? という疑問も湧いてきたりしますね。

途中でログアウト…気持ちが萎える

ユーザー登録して、指示通りに進んでいくと必要書類のアップロードが求められます。PCで申請をしている場合は必要書類のデータの取り込み、アップロードに手間取ってしまいます。スマホやタブレットの方が撮影したものをすぐにアップロードできるので楽だと思います。

必要書類のアップロードや区分の確認に手間取っていると申請途中でログアウトされてしまうことがあります。入力済の内容は保存されてはいるのですが、中断されると気持ちが萎えてしまいますよね。根気よく再度ログインすれば、また入力途中のところから進むことができます。

これでよかったのか? がわからない

やっとの思いで申請完了すると、登録したメールアドレスに申請完了のメールが届きます。ただし、支給認定の可否は12月16日以降にマイページの申請履歴から確認することになります。不備がある場合は審査後、不備通知がメールで届きます。既にメールが届いたという方もいました。不備通知を受け取った後は修正することができるとのことですが、申請が完了した後に自分で申請内容に誤りがあったことに気づいても、修正することができません。その場合はコールセンターに連絡をしてください。

スムーズに進むためのポイントは「必要書類・申請方法を確認ボタン」から対象者区分を事前に確認し、必要書類をしっかりそろえておくことです。住民票を取得するよりも保険証に記載の保護者が申請をした方が楽かと思います。事前準備に手間はかかりますが、所得制限なしで6万円が支給されるため、何とか申請を頑張ってみてください!

1月に支給されるための申請期限は12月15日ですが、期限を過ぎてしまっても申請は可能です。ただし、支給時期は未定とのことなのでご注意ください。

また、家電量販店のノジマでは申請サポートを行っているそうです。必要書類をそろえて出かけるのは大変ですが、買い物ついでにサポートしてもらうのもいいかもしれませんね。