オーバーワークで疲れきった体を癒やしたい。そんなときは千葉の海辺の町、勝浦へ。東京駅から特急電車に飛び乗って、1時間半。フランス発祥の海洋療法“タラソテラピー”を満喫すれば、体のすみずみから心の奥まで全身リフレッシュ！

「タラソテラピー」で、ストレスを消し去る

“タラソテラピー”は、海水を利用して心身を整える海洋療法。ストレス解消や代謝促進など、さまざまな効果が期待できるとあって、ヨーロッパを中心に広く親しまれている。

太平洋に面した千葉県勝浦市にある「テルムマラン パシフィーク」は、自然の力を生かしたそのセラピーを日本で体感できる数少ない場所。1997年の開設以来、健康に敏感な人たちがひそかに通っている。そんなうわさを聞いて、体験してきた。

広大な敷地に立つ平屋建ての施設は優雅な雰囲気で、リゾート気分も味わえる。水着に着替えてさっそく、「アクアトニック」と呼ばれるプールへ。近くの海からくんだ海水を、“不感温度”と呼ばれる35℃前後に温めたこのプール、水質が真水とまったく違う。入った瞬間、「何、これ!?」と思わず声を出してしまったほど水は柔らかく、さらさらとしているのだ。水温が体温に近いせいもあって、水と一体化したような……。そんな不思議な感覚に浸りながら、歩行浴をしたり、ジェット水流で体中をマッサージしたり、シルキーなバブルバスでくつろいだり。

（左）「テルムマラン パシフィーク」は、フランスの名門「テルムマラン ドサンマロ」と業務提携を結ぶ本格的なタラソテラピーの施設。ミネラル豊富な海水の効果で肌も潤う。（右上）歩行浴で全身運動。ほの温かい海水は柔らかく、温泉とも真水のプールとも違う独特な心地よさ。（右下）浅いプールに足を投げ出して、ジェット水流で足裏をマッサージ。がんばった自分にご褒美。

このプールを堪能するだけでも筋肉の緊張がほぐれて生き返るけれど、ここはセラピストによる施術も充実。3種のセラピーがついたコース「タラソベーシック デイトリップ」を受けてみた。

まずは、フランス産の上質な海藻ペーストを塗って体を温める「アルゴパック」。代謝を高めるヨウ素が豊富な海藻のおかげで、汗と一緒に毒素が抜けていくような爽快感。

汗をかいたあとは、海水プールで「ピシーナリラクゼーション」という水治療法を。浮き具をつけ、セラピストに誘導されながらあおむけで水に浮かぶセラピーである。シンプルながら、これが想像をはるかに上まわる気持ちよさ！　今まで経験したことのない完全なる脱力状態で、重力から解放されたような浮遊感を味わえる。セラピストで、施設の本部長でもある村上大介さんが、「このセラピーに魅了されてここへ転職した」というほどイチオシでもある。リラクゼーション効果は抜群だ。

最後に、海水のミストで満たされた暗室に横たわってコースは終了！

全身のコリがほぐれて、たまっていた疲れはどこへやら。この快感を一層かみしめるためにも、夜は同じ敷地内にあるホテルに宿泊するのがおすすめだ。食後に再びアクアトニックでひと泳ぎも可能。心地よく疲れて、深い眠りにつける。

すぐにでもリピートしたい。体が喜ぶ、絶好の場所だった。

ず～っと浸かっていたい！ リラックス効果絶大の海水プール

▼打たれて、
メインの多機能プールは、そこかしこにジェット水流が施されて、腰や肩を心地よく刺激。頭上3mから海水を勢いよく吹き出す“スワンネック”は、脳天を直撃。頭のコリが一気に解消！
▼寝て、
（左）海水のミストで満たされた暗室に30分間横たわるセラピー“エアロゾル”。海水の殺菌効果で気管支を浄化し、自律神経を整える効果がある。（右）眠くなったらリラクゼーションルームで休憩。プールで心地よく疲れたあとに横たわると、全身の筋肉がゆるむ。館内はバスローブで過ごせる。
▼癒やされて、
（左）とろみのあるペースト状の海藻を体に塗る“アルゴパック”。老廃物の排出や、脂肪の分解を促進する働きがある。海藻にたっぷり含まれるミネラルの効果で、肌もつるつるに！（右）頭と足を浮き具にのせて、セラピストの誘導に身を任せる“ピシーナリラクゼーション”。耳まで水に浸けて浮かべば周囲の騒音が消え、ひとり静かな世界で頭を空っぽにできる。
▼食べて、
（左）プールサイドには冷たいハーブティーが用意されている。うれしいサービスだ。動いたあとや施術後にはたっぷりと水分補給を。（右）おなかがすいたら館内のカフェへ。地元の食材を使ったボリューミーなサラダなどが楽しめる。写真はバゲットサンドのセット1296円。
▼くつろいで、
外のデッキチェアや屋外バブルバスでものんびり過ごせる。晴れた日は遠くに水平線が見える。営業は夜9時まで。夜風に吹かれながらバブルバスに浸かるのも気持ちいい。
▼泊まる。
アクティブに過ごしたあとは、ホテルでリラックスタイム
「テルムマラン パシフィーク」と同じ敷地内に、リゾートホテル「ブルーベリーヒル勝浦」がある。全室スイート級の広々とした部屋は居心地がいい。大きなベッドで快眠できる。乗馬もできるのでぜひ（宿泊とは別途料金）。（問）0470-76-3400
テルムマラン パシフィーク
千葉県勝浦市興津1920　ブルーベリーヒル内　（フリーダイヤル）0120-655-779　（営）9：00～21：00　（休）6月4～13日。7月は第1火曜。8月以降は無休　入館料4320円、土日・祝日は5400円。コース「タラソベーシック デイトリップ」は入館料込みで1万4290円。※要予約
※表示価格は、税込みです。