気の利いたおつまみと大好きなお酒ですごす夜ほど、楽しいものはない。ワインとチーズ、日本酒と鮭トバ、ハイボールとポテチもいいけれど……、たまには手作り。フードデザイナーのモコメシさんに、遅い夜に罪悪感なく食べられるヘルシーつまみのレシピを教えていただきます。

スパイス、ハーブ、果物で味をふくらませば、ヘルシーでも満足の一品に

今日はゆっくり飲みたいなと思う夜。遅い時間に食べても罪悪感のないヘルシーなつまみがつくれたら……。そんなリクエストに応えてレシピを考案してくれたのは、お酒好きなフードデザイナーのモコメシさん。

使う食材は、海老、豚ヒレ肉、舞茸など、脂質の低い食材を主に。調理法は、素材の余分な脂を落とすため、蒸したりゆでたり。使う油も最小限でオイリーにならないよう工夫してくれた。「カロリーばかりを気にすると味気ない仕上がりになりがち。おいしさをプラスする秘訣は、スパイスやハーブの香り、果物の酸味や甘さをきかせて、味に奥行きを出すことです」

どれもとびっきりの満足度。お酒好きはもちろん、飲まない人でも楽しめるレシピのオンパレードです。

イカと海老のオレンジトマト煮

●華やかな柑橘が香る地中海風。ぷりっぷりの魚介がやみつきに

材料(4人分)
エビ(ブラックタイガー)……6尾/イカ……1杯/トマト(大)……2分の1個/オレンジ……1個/にんにく……1片/黄ズッキーニ……2分の1本/オリーブオイル……大さじ2
【A】タイム……1枝/白ワイン……小さじ2/白ワインビネガー……小さじ2/塩……小さじ2分の1

●作り方
(1)エビは尻尾を残して殻をむき、背開きにして背ワタを取る。イカは骨とワタを取り除いて、8mm幅の輪切りにする。足は2本ずつに分けて切る。
(2)トマトと外皮をむいたオレンジを、1.5cm角に切る。にんにくは縦半分に切り、包丁の腹でつぶす。黄ズッキーニは8mm幅の輪切りにする(球形ならくし形に切る)。
(3)フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかけ、香りが立ったらズッキーニを両面焼く。
(4)トマト、オレンジ、Aを加えて強めの弱火にし(写真)、蓋をして5分ほど蒸し焼きにする。
(5)トマトとオレンジが煮崩れたら、1を加える。汁気を煮詰めながら魚介に火が通ったら完成。

【POINT】 海老とイカは低カロリーで旨みが強い。ぷりっとした食感に仕上げるコツは、火を通しすぎないこと。

かぶとラディッシュのサラダ

●旬の根菜がみずみずしくって箸休めにもぴったり!

材料(2人分)
かぶ……1個/ラディッシュ……2個/トレビス(クレソン2本で代用可)……1枚
【A】白ワインビネガー……小さじ2/オリーブオイル……小さじ2/塩……小さじ6分の1/きび砂糖……小さじ4分の1/フェンネルパウダー……ひとつまみ

●作り方
(1)かぶは薄切りにして塩ひとつまみ(分量外)をまぶして数分置く。しんなりしたら水気をしぼる。
(2)ラディッシュは薄切りに、トレビスは小さな一口大に切る。
(3)ボウルに1、2、混ぜ合わせたAを加えて和える(写真)。

【POINT】 サラダは、根菜を主役にすると歯応えがあって少量でも食べ応えがある。塩もみしたかぶが美味。
モコメシ

料理好きの母の影響を受け、独学で料理を学ぶ。インテリアデザイン事務所勤務を経て、2010年、フードデザイナーとして独立。コンセプトは「食べるシチュエーションをデザインする」。著書に『大人もサンドイッチ』(グラフィック社)。