男性が結婚したいタイプとしてよく挙げる「家庭的な女性」。高収入の男性に限って見ると、この理想像が崩れつつあると語るのは婚活アドバイザーの大西明美さん。高収入の男性が妻に求める素養を、バリキャリ女性は備えており、さらに「5歳」ではなく「7歳」年上の男性をお相手候補に選ぶと、成婚率が格段に上がると言うのです。その理由とは?

婚活バリキャリの敵、それは“いわゆる”妻の理想像

「結婚したい」「子どもも欲しい」でも「仕事は続けていきたい」。そんなバリキャリ女性に立ちはだかる壁、それは、男性が女性に対して求める妻の理想像です。「料理が上手で、育児を安心して任せられて、家庭を守ってくれる妻」という希望には根強いものがあります。

表向きは、「家事を押し付ける気はない」と言いつつ、具体的にどんなふうに家事に取り組むのかについて全くイメージを持っていない男性がほとんどです。はっきり言って彼らはあてになりません。結婚後にバリキャリ女性の足を引っ張ることとなります。

ここで、朗報があります。30代なら年収800万円以上、40代なら年収1000万円以上を稼ぐ「高収入男性」の多くは、家庭的な女性では物足りないと言うのです。

家事は自分でもできる、場合によってはお金を払ってプロにやってもらってもよい。――そんなデキた考えをもつ高年収の男性が、今、妻にしたいと考える女性像とは?

「僕は1人暮らしが長いので家のことは一通りできます。だから、何が何でも家事が完璧じゃないとダメとは考えていません」
「お互いに高め合う関係を求めています。ですので知的レベルが合わないと困ります。お互いに家事を行うのが難しいようであれば、おそうじサービスなどを補助的に利用します」

といった声も少なくありません。実際、私の運営する結婚相談所では高収入男性の8割以上がこのように回答します。

高収入男性が妻たる女性に求める3つの素養

では、高収入男性は、妻たる女性に何を求めているのでしょうか。それはこれから述べる3つの素養です。

1.秘密を守れる女性

年収が高い人ほど、仕事における地位は高く、また責任は重くなるものです。ですので、夫の仕事に関わることについて、ご近所さんやママ友に話しても良い内容、漏らしてはいけない内容をちゃんと見極められることが、妻には求められます。社会経験が浅い女性、責任を問われるような仕事をしたことがない女性には、これが意外と難しいのです。

2.無駄遣いをしない女性

高収入男性とお付き合いをすると、全部おごってくれそうですよね。しかし、彼らは結婚相手を探すにあたって、むやみにおごることをやめます。なぜかと言うと、夫の収入をあてにする女性と結婚して苦労したくないからです。また費用対効果を重んじるため、女性にも同じ感覚を求めます。余談ですが、愛人には全てごちそうします。愛人という不安定な立場に、対価を支払うのです。だから、高収入の男性が交際中に割り勘を求めてきたとしたら、本気であなたが結婚相手として適しているかどうかを試しにきている可能性が高いです。

3.教養がある女性

高収入男性は、仕事のスケールや幅に合わせて交際の範囲も広がります。その集まりで会話に全くついていけないような妻を連れて行くと、恥をかきます。だから、彼らは自分の仕事の話や、関心を持っている話題についていけるかどうかを重視します。

いかがでしょうか。ここで声を大にして言いたいのは、社会経験が少ない女性、若い女性と比べて、バリキャリ女性はこの3つの素養を全て持っている場合が多いということです。

バリキャリ女性が狙うべき高収入男性とは

先に述べた、高収入男性が妻たる女性に求める3つの素養が備わっていても、ネックになるのは年齢です。やはり結婚となると、出産を意識するなどの理由から、若さが優先されることも多くなります。

ここでポイントとなるのが、若さというのは相対的なものであるという点です。例えば、20歳から見れば30歳は微妙な年齢ですが、40歳から見れば30歳は願ってもない若い年齢となります。高収入男性から「若い!」と思われれば、3つの素養を持ったバリキャリ女性は、妻の最有力候補として一気にのし上がります。

では、「若い!」と思われる基準とは?

目安ですが“7歳差”以上です。女性が35歳だとすれば、男性は42歳より年上の人ということですね。昨今、女性も35歳を過ぎると結婚相手として年下の男性を希望するケースが増えています。そして相手が5歳以上年上になると、男性も女性も躊躇(ちゅうちょ)し出します。つまり、42歳の高収入男性が、主に37歳以上の女性からアプローチを受けているところへ、35歳の女性が名乗りを挙げると「若い!」ということになるわけです。

お相手の対象年齢を“5歳差”から“7歳差”に引き上げるとき、注目すべき点は「お相手の対象が広がる」ではありません。「あなたが最年少候補となる確率が格段にあがる」です。

最年少候補となる最大のメリットは、男性に対して望む条件について、年齢以外を高く据え置いたまま婚活ができる点にあります。例えば、38歳の女性が、相手に望む条件として「年収1000万円以上」を挙げたとします。普通は、「理想が高過ぎる」となりますよね。しかし相手を“7歳差”の45歳以上に限定することで、女性の年齢を理由とした門前払いの確率が下がるのです。「会う前にお断り」でなければ、年齢以外の自分の魅力をもってして、相手との関係を築くチャンスが得られます。つまり、人間力によって条件のいい人をつかまえるためには、相手の年齢を“7歳差”以上に引き上げるのが、手っ取り早く有効な方法となるのです。

年齢差をキーファクターとして戦略を練る

これを“10歳差”以上に引き上げられれば、さらに強気で攻められます。50歳の男性からすれば、年収1000万円を超えているような人であったとしても、30代の女性から結婚を念頭に置いたお付き合いの申し出があるということは、嬉しいものです。さらに、男性から「生意気だ、プライドが高い」と敬遠されがちな“キャリア”についても、「その頑張りが愛おしい」「俺もこんな道を通ってきた。サポートしてあげたい」と、兄のような気持ちで包み込んでくれるため、逆に仕事がしやすくなる可能性もあります。仕事を考えた上でも、年上を選ぶというのはメリットが見込めるのです。

本来、バリキャリ女性と高収入男性とは相性が良い組み合わせですので、ぜひこの「年齢7歳差以上作戦」にトライしてみてください。ただし、あなたよりさらに若い女性がライバルとして現れる可能性もありますし、自分が何歳になろうとも若い女性が好きという男性もいます。そんなときこそ「高収入男性が妻たる女性に求める3つの素養」で勝負です。

また「7歳も年上なんか嫌だわ」という人もいるかもしれません。そういう人は、連載第2回「ターゲットは年下男性! 年上女性の魅力とは何か?」(http://woman.president.jp/articles/-/533)をご参照くださいね。

大西明美

婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。