結婚、営業職からヨガ講師への転身、東京から広島へのIターン、そして出産。変化にあらがわず、ふわりふわりと、マイペースで進む。(アドバイスしてくれる人:はぴきゃり代表取締役 金澤悦子さん)

法人向けITサービスの企業で、仕事中心の生活を送ってきた田上さん。多忙な毎日のなか、ヨガ講師の資格を取得し、月に1回のプチレッスンを開講していた。

ヨガインストラクター 田上さおりさん
IT企業の営業職として多忙な毎日を送るかたわら、ヨガ講師の資格を取得。月1回の講座を始める。結婚を機に、夫の実家である広島県福山市にIターン。自宅でヨガスクールを開講する。1歳6カ月の女の子のママ。

「もともと生理痛が重くて、ひどいときにはトイレから出られなくなるほど。それがヨガを始めてからかなり改善されました。働く女性にこそ、もっと体をいたわる習慣を持ってほしい。そんな思いで開講した月1回のレッスンは、自分にとっても充足感があって、いつのまにか『いずれヨガをメインにしていきたい』という夢に育っていきました」

そんなときに、彼から「一緒に福山に帰ろう」という電撃のプロポーズ。突然の言葉に戸惑いながらも、考えるほどに広島での暮らしに魅力を感じ始めたという。

「新しい経験や出会いにワクワクするタイプ。住み慣れた東京を離れる不安より、引っ越し先での楽しみのほうが大きいって思えたんです。地方のほうが、ヨガ講師の需要もあるかもしれない、と思ったのも後押しになりました」

この2年あまりの間に、結婚、広島への引っ越し、そして妊娠・出産と、大きな変化が相次いだ。

【写真上】ヨガクラスの前には、一人ひとりの体調の悩み、気になる箇所に合わせたカルテを作成。【写真中】インストラクター用のテキストと、レッスン生へのカルテのファイル。【写真下】子どもの日々の成長を見られる充実感は、何物にも替え難い喜び。公園のすべり台で大はしゃぎ!

「人との出会いや縁で、自然にここに来た、という感じ。でも、おかげで素の自分のまま、のびのびできる環境に恵まれました。子どもが生まれて、ますますIターンしてよかったって思います。子どもの成長を日々見守れることが何よりの幸せ。ヨガスクールの輪も少しずつ大きく広げていけたらなと思っています」

■田上さんのWORKING DATA(BEFORE→AFTER)

雇用形態:正社員→フリーランス
職種:営業→ヨガ講師
年収:約480万円→夫の扶養排除範囲内
労働時間:フルタイム、残業あり→週5日午前中

 金澤さんから一言 

なんといってもIターンの決断に拍手! 首都圏にこだわらないことで、仕事の可能性も広がりましたね。東京で培ったものを、地方へ持っていくというのは、すばらしい戦略でもあると思います。また、敬遠しがちな夫の親との同居を選択した点も参考にしたいところです。

はぴきゃり代表取締役 金澤悦子
2001年、女性のためのキャリア転職誌「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊。多くの取材から、ハッピーキャリアを見つけるためのステップを体系化。現在、はぴきゃりアカデミーを運営し、「ココロとサイフが満たされる仕事発見」をサポート。