限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……

「最も重要なのは、商品の方向性を決めて、全員で共有することです。関わる人数が多いので、ここがバラバラだと前に進めません」

パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 ビューティ・ヘルスケアチーム 小谷香織さん

そう話す小谷さんは、おそらく日本の多くの女子が持っている、ナノケアドライヤーを中心としたヘアケア商品の国内マーケティングを担当している。ひとつの商品が世に出るまで、構想から実に2年もかかるのだとか。その長い期間、関係するいくつもの部署を束ねるのが彼女の仕事だ。

そのため社内外からさまざまな問い合わせがひっきりなしにやってくる。返信に時間をかけないコツは、よく使うワードを登録しておくこと。急な案件がふってくることもしばしばなので、1日のタイムスケジュールはその日の朝に決めて、臨機応変に対応できる態勢をつくるという。

プレゼンも毎週のようにあり、特に販売会社を招いたセールスミーティングでは1000人もの聴衆を前に話す。緊張して失敗しないよう、前日にはシナリオを書いてストップウォッチを手に、何度も練習を繰り返すのだとか。

新商品の発売間際には多忙を極めるが、「仕事だけ、にしたくないので、友達とご飯を食べに行ったり、息抜きの時間もつくってますよ」と笑う。集中するときは集中し、緩めるときは緩める。そのバランス感覚が見事だ。

■小谷さんの1週間

【平日】
朝:その日のタイムスケジュールづくり。仕事の優先順位は、重要度と納期で決める
午前:社内外から電話やメールの嵐。どんな用件にも「即レス」!
午後:社内で打ち合わせ、取引先を訪問して商談など。プレゼンも週イチ
夜:大きなプレゼンの前には、シナリオを書いて何度も練習
【水曜日】
会社の定時退社日。同僚や友達と食事に出かけて息抜きする
【土曜日】
ヒップホップダンスのレッスンへ。汗を流してストレス発散
【日曜日】
月2回ほどバスケットボール。休日に体を動かしてリフレッシュすると、仕事への活力が増す

■時間管理の鉄則3カ条

1. 緊急事態にも対応できるよう1日の予定は当日の朝に決める
2. 自分に「締切時間」を設けてToDoリストで管理
3. よく使う言葉を単語登録しメールの返信を素早く

小谷香織
1986年生まれ。2009年に入社後、ビューティー商品の販売管理、男性理美容商品の国内マーケティングを経て、現在のヘアケア商品担当に。「自分も商品効果の見本」という意識をもっているので、忙しい毎日でも髪の手入れを怠らず、つやぴかヘアをキープ。