限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……

キリン CSV本部コーポレートコミュニケーション部 広報担当 木戸幸子さん

木戸さんが在籍するキリン広報担当では、キリンホールディングス、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの広報を一手に引き受けている。年初は各社の事業方針、2月は決算、春夏はビールや清涼飲料、秋になればワインやホット飲料の新商品発売と、発表会が相次ぎ、1年中ノンストップの忙しさだ。

広報に異動になったのは2年前。それまではずっと営業をやっていた。

「広報と営業の仕事で最も違うのはスケジューリングです。営業時代はほぼすべて自分で予定を決めていました。でも広報は、向こうからどんどん仕事がやってくる。ぎちぎちに予定を詰めると回らなくなってしまうので、あえて空き時間も確保しています」

1カ月分の仕事もおおまかに予想

日曜の夜にはスケジュール帳を見ながら、その先1週間のイメージトレーニングをするという。そして毎朝必ずやっているのは、チーム全員と他部署の関係者のスケジュール確認だ。

「全社員がOutlookに予定を入力していて、誰でもそれを閲覧できるようになっています。たとえば『一番搾り』の取材が入ったら、担当者の空き時間を自分のPCですぐ確認できる。これでかなり効率化されています」

どんな仕事でも「即時対応が鉄則」と言う木戸さん。日曜夜のイメトレと、ツールの賢い活用で、慌ただしい毎日を軽やかに乗り切っている。

■木戸さんの1週間

【平日】
・朝一番に、社内共有のOutlookで関係者の予定を確認
・ビールを扱っているため夜の会食は多めで、週に2~3回。残業にならないよう・前後の日で仕事を調整
・会食でどんなに遅くなっても、翌朝は5時に起床!
・出勤前にゆっくり朝食をとりながら1日の予定を組み立てる
【土曜日】
・休みの日でも朝は5時起床。必ず午前中にヨガに行って、1週間分の疲れとストレスを汗とともに流す
【日曜日】
・寝る前にスケジュール帳を見ながらその先1週間の仕事のダンドリをする。むこう1カ月の仕事の山場に合わせて前後の予定を組み立てる

■時間管理の鉄則3カ条

1. 日曜夜にスケジュール帳を見てイメージトレーニング
2. 急な仕事に対応できるよう空き時間を予めつくっておく
3. 社内共有Outlookで関係者のスケジュールを把握

木戸幸子
キリンビール入社、静岡支社で営業を担当。12年秋から現職。「これまでに一般女性の5倍は走ってきた」と言うほど、小学生のころからバリバリの体育会系。はつらつとした笑顔とパワフルな仕事ぶりは、社内外で高く評価されている。