非日常に身をおいて、リラックス

某劇団が代表作を十数年ぶりに再演。私にとっては待望の再演で、2回観に行きましたが、期待どおりの至極の2時間を堪能。8000円×2回分のチケット代はまったく惜しくなかったし、公演パンフレットも、戯曲集も手に入れて、2回で2万円を超す出費も安い~と感じるゴキゲンぶりでした。

芸術の秋ですし、映画やコンサートを楽しんだり、美術館で目の保養をして、非日常に身をおきたいと感じたのです。

チケットを安く買う方法を知っておこう

これ面白そう! と思う芝居やコンサートがあっても、チケット代が1万円前後となると、ちょっぴり躊躇してしまう。そこで知っておきたいのが、チケットを安く手に入れる方法です。

たとえば舞台、音楽、イベントなどのチケットをおトクな値段で購入できるのが、『カンフェティ』(チケットの販売サイト)。チケットには4つの種類があり、『「なっとく価格!」チケット』は、良席の保証なし、座席がわかるのは当日、枚数限定という理由(わけ)ありチケットで、故井上ひさし氏の戯曲のみを公演する、某老舗劇団の定価9000円のチケットが破格の2000円、某大物アーティストのコンサートチケット7500円が3900円などで販売された例も(2014年9月の情報。以下同)。ほかにも週に1度、154円のチケット、815円のチケットが販売される企画などがあります。

演劇好きなら『えんぶショップ』にも注目。某有名劇団の芝居が定価5500円のところ4400円、などの例がありました。

『イープラス』(総合エンタメショップ)では、好みのジャンルを登録すると、お得なチケットの情報を含むメルマガが配信されるサービスもあります。

●パスポートや回数券を使い倒す

美術館や博物館をたくさん回りたい、という人は、『東京・ミュージアム ぐるっとパス」(東京都歴史文化財団)もおトク。東京都内78の美術館、博物館、動物園などの入場券や割引券が綴られたチケットブックで、2000円。最初の利用日から原則2カ月、各施設1回ずつ利用できます。

たとえばブリヂストン美術館(中央区・800円)、山種美術館(渋谷区・1000円)、神代植物公園(調布市・500円)を回るだけでも、軽く2000円を超え、パスを使ったほうがおトクです。「タダだからあの展覧会にも行ってみよう」、「割引が効くから会社帰りに寄ってみよう」となれば、おトク&たくさんの芸術に触れることができ、一挙両得です。

関西版も2種、販売されています。

●お気に入りの楽団や劇場をたくさん楽しむ

定期的に楽しんでいる公演があるという人は、回数券や会員制度がないかを調べてみましょう。

大阪交響楽団では、『定期会員』の制度として3つのコースを用意。『エコノミーコース』は年会費1口1万2960円で、4回の定期演奏会(A席当日座席引換券)に招待される。A席は通常5000円です。

東京都交響楽団でも、割引対象公演のチケットを3公演以上合計5枚以上同時に買うと20%引きになる『マイチョイス割引』、休憩後からの入場で定価の50%引きになる『都響おそ割』などがあります。

大阪新歌舞伎座では、2階席の10枚綴りチケットが4万5000円など。某大物歌手の公演では2階席1万2000円、別のお芝居では同5000円など、チケット代は公演によって異なりますが、使い方によってはかなり有利なサービスといえそうです。リタイアして時間に余裕がある両親にプレゼントする、というのも気が利いています。

また公演によっては、ペア券(2枚)が通常より大きく割引になるなどのサービスもあります。

団体や劇場ごとの割引サービスは、公演の際に配布されるチラシや、ウェブサイトなどに掲載されているので、おトクなサービスを見逃さないようにしましょう。

●映画好きなら、安い日を狙う

映画好きの人ならご存知と思いますが、毎月1日を『映画サービスデー』、毎週一定の曜日(水曜が多そう)を『レディースデー』として、それぞれ料金を1100円、1000円などとしている映画館が多いようです。12月1日は「映画の日」で、ほとんどの映画館は1100円か1000円です。

東京渋谷にある指定の映画館で利用できる『渋谷ミニシアター回数券』、同じく名古屋の『名古屋ミニシアター回数券』(いずれも3枚1組で3990円。3カ月間有効)など、地域限定のおトクなチケットも。

イオンシネマでは、20日、30日はイオンマークのクレジットカードを提示すると1100円で見られるなど、独自のサービスを行っている映画館もあります。

そのほか、金券ショップには映画の前売り券が割引価格で並んでいることがあるので、出かける途中にちょっと覗いてみるといいですね。

公開前に無料で見られる試写会を狙うのも手。『Yahoo!JAPAN映画』でも試写会の情報が掲載されています。

割引を使ってお試し感覚で芸術に触れ、気に入ったらグッズを買って売上に貢献する、リピーターになって応援する、というのも、芸術を育てる大人の楽しみ方といえそう。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。