時間の使い方が大事。そんなことは百も承知だが、いっこうに使い方がうまくならない。なぜか。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「一流の人ほど時間管理の『優先順位』が明確」という――。

なぜ、いつまで経っても時間をうまく使えないのか?

仕事柄、多くのビジネスパーソンと接しますが、「時間が足りない、時間をうまく使えない」という悩みを聞くことが少なくありません。

私も昔はそれほど時間を使うのが上手だったとは言えませんが、忙しい時期を経験したこともあり、今では時間の使い方がかなりうまくなったと思っています。

時間の使い方にはコツがあるのです。

時間をうまく使う目的は、良質のアウトプットをできるだけ多く出すことです。個人的な話で恐縮ですが、私は現在、年間で講演や研修を約180カ所で行い、社外役員や顧問をしている会社が10数社、小宮コンサルタンツという私を含めて11人の会社の経営を行い、名古屋大学経済学部の客員教授をしています。

それに加え、大阪で月に8本のテレビ番組に出演し、連載はこの原稿も含めて月に10本ほど書き、その合間を縫って毎年10冊ほどの本を出版しています。そのため、移動も多く、試しに数えてみましたら、ひと区間を1回として昨年は新幹線に131回、飛行機に69回乗りました。ときには過酷な移動をこなしながら、結構な量のアウトプットを出しています。もちろん、スタッフや編集者の方たちなど多くの人のご協力があってのことですが、時間の使い方にはとくに注意しています。

いいアウトプットをする人は手帳を使いこなす

▼日、週、月ごとに「スケジュール」と「to do」を正確に把握する

まず、何よりも日常の時間をコントロールすることが大切ですが、その大前提として、短期的にやるべきこと、長期的にやるべきことを正確に把握している必要があります。

日常生活や仕事において時間をコントロールするためにまず必要なことは、自分の「やるべきこと(to do)」と「スケジュール」とを正確に把握することです。

to doはメールを書く、報告書を作るなど、やる時間がそれほどきっちりと決められていないものです。スケジュールとは、やるべき時間が決められているものと私は定義しています。たとえば、私の場合、会議への出席や講演、テレビ出演などがこれに該当します。その合間にto doをこなしていくのです。

そして、さらにその空き時間に、勉強や執筆など中長期的にやるべきことをやっていくのです。私の場合は、移動時間を結構有効活用しており、物書きと読書のかなりの部分は新幹線の中で行っています(もちろん、休養もしています)。

to doを月単位や、週、そして日ごとに把握して、スケジュールの合間にこなしていくことにより、多くのアウトプットを出すことができるようになりますが、そのためには、毎日、毎週、毎月のto doを書き込むことができ、スケジュールと照らし合わせることができる手帳があれば便利です(手前味噌ながら、『小宮一慶のビジネスマン手帳』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はそのために作られた手帳です)。

スケジュールが確定するたびに、もちろん手帳に書き込んでいきますが、to doについては、思いつくことが多いので、頭に浮かぶたびに、手帳のそれぞれやるべき日や週に書き込んでいきます。そうしないと忘れてしまうからです。

一流は「スターの時間」を優先、飲み会は最低限

▼「スターの時間」を活用する

それともうひとつ、自分にとって一番調子の良い時間帯を知り、そこでとくに集中力を要する仕事をすることも生産性を上げる意味では大切です。私はその時間を「スターの時間」と呼んでいます。これまでお会いした多くの有能な経営者やビジネスパーソンの共通点は、こうした何かに没頭する時間を持っていることです。

私の場合だと、断然、朝の時間帯が「スターの時間」で、集中力が必要な原稿を書くことなどをやっています。人により「スターの時間」は違うので、自身にとって最善の時間を知ることです。

さらには、体調を整えておくことも大切です。

体調が悪いと何もできませんね。私は、仕事柄、夜の会食は多いのですが、時間の節約と体調管理のために2次会には原則行かないと決めています(一流のビジネスパーソンにはそう決めている人も多いです)。

そうすれば、夜も早く眠れますし、自分の「スターの時間」である朝にフル回転することができます。皆さんも、時間を有効活用して、良質のアウトプットをたくさん出してくださいね。