いまやインターネットなしにはビジネスが成り立たない時代――“うまく使うこと”が重要になってきます。そのためには、うまく使っている人の本を読むことがおすすめ。ソーシャルメディア研究所代表の熊坂仁美さんに、「IT」をうまく使えるようになるおすすめ本を初級・中級・上級と分けて教えてもらいました。

ITをうまく使う
-行動しながら読むと、新しい情報が欲しくなる!

いまやインターネットなしにはどんなビジネスも成り立ちません。ならば、うまく使ったほうがいい。それには、うまく使っている人の話を聞く=そうした方々の本を読むことをおすすめします。

本を読むことは大事ですが、読むだけでは足りません。リストに挙げた『コンテキストの時代』は2014年9月に購入しました。当初はパラパラと読んでもピンと来ず、積ん読状態になっていました。ところがいま、それに一番ハマっているんです。きっかけはアップルウォッチを購入したこと。がぜん、本の情報が生き生きと自分の中に入ってきました。行動しながら本を読む。そうすると、自分の欲しい情報がまた新たに出てきます。

アクティブな本の読み方が、必要なのだと思います。頭のいい方はたくさんいますが、頭でっかちになっている人も少なくない。そういう人の言葉は誰も聞いてくれません。実践と読書は両輪でないと意味がないと思うんです。

ただ、技術が進んでも企画力は人次第。企業でもますますクリエーティビティが必要に。だから個人的には小説がおすすめです。ビジネス書は結局ノウハウ本。クリエーティブな力を鍛えてはくれません。語彙(ごい)力もパソコンをいじっているだけでは消滅していく一方ですから(笑)。

IT【初級編】
-インターネットの考え方を知るために

『ウェブはバカと暇人のもの』中川淳一郎(光文社新書)
元博報堂社員で、企業のマーケティングやPRに精通している著者からの警告。日がな一日ネットと向き合っているからこそわかる、「ネットに幻想を抱くな」という実質的な内容に。メディアリテラシーの身につけ方も。

『MEDIA MAKERS-社会が動く「影響力」の正体』田端信太郎(宣伝会議)
「R25」「livedoorニュース」「LINE」など数々のメディアビジネスを渡り歩き、経験値が高い著者。インターネットなしにはビジネスが成り立たない現代だけに、メディアに精通する彼の言葉は重みがある。

【POINT】
インターネットなしに生活ができなくなりつつある時代。初級本はインターネットをよく知らない人を想定して選びました。インターネットとのほどよい距離感やビジネスに欠かせないネットの利用の仕方など、変わりゆく時代を実感できると思います。

IT【中級編】
-ソーシャルメディアを実践的に使うために

『コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと』川上量生(NHK出版新書)
著者がスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと一緒に過ごす中で「コンテンツとは何か」を定義づけしていく。人に共感されるコンテンツとは何なのか、誰もがコンテンツをつくり発信できる時代、万人に役に立つ書。

『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』田端信太郎、本田哲也(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
戦略PRプランナーとLINEの執行役員という広告マーケティングの最強コンビが対談。ネットが普及し情報があふれるいま、数字で人を動かすことの意味を語る。自分の視点をもつことの大切さに気づかされる。

『ウェブはグループで進化する』ポール・アダムス(日経BP社)
ソーシャルネットワークの構造やインフルエンサー(影響力のある人)がどうやって生まれてくるのかなどを理論的に解説。ソーシャルメディアを企業として使おうとしている実務家は一度読んでおくといい。

IT【上級編】
-ウェブの世界がさらに広がる経営者必読書

『コンテキストの時代 ウェアラブルがもたらす次の10年』ロバート・スコーブル、シェル・イスラエル(日経BP社)
最新テック企業の経営者を徹底取材した一冊。モバイルやウェアラブルが近い未来を変えると語る。実際、アップルウォッチを購入したことで、そのことを自分事として実感し、本書をよりよく理解できた。経営者はぜひ。

『第五の権力 Googleには見えている未来』エリック・シュミット、ジャレッド・コーエン(ダイヤモンド社)
グーグル会長初の著書。インターネットを決めているといっても過言ではないグーグルの考え方を知る本。グーグルを知ることはネットを知ることでもある。サイバーテロなどの話題もあり、経営者向け。

『強いチームはオフィスを捨てる 37シグナルズが考える「働き方革命」』ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(早川書房)
経営者、フリーランスの方にぜひ。どこにいても簡単にコミュニケーションが取れる時代に、なぜオフィスが必要なのか。新しい時代にふさわしい働き方とは何か。シリコンバレー的な考え方を知るだけでも気が楽になる。

熊坂仁美
ソーシャルメディア研究所代表。SNSの専門家、動画プロデューサーとして多方面で活躍。2013年8月に、生まれ故郷の福島市に移住。地域にこだわらないワークスタイルを確立。