転職とは、よりよい職場、やりがいを求め、キャリアを築いていくために、未来の可能性をつかむことにほかならない。しかし、チャレンジには常にリスクが伴うもの。転職のリスクと成功要因は外からはなかなか見えない。だからこそ、転職を成功させるための法則を押さえておきたい。転職のプロだけが知っている7つの法則とは?(アドバイスしてくれる人:株式会社キープレイヤーズ・代表取締役 高野秀敏さん)

キャリアプランを実現するために運命を切り開く転職の法則

終身雇用制度が崩壊しつつあり、それとともに「転職」のイメージは向上。今や転職はキャリアアップの手段として認知されてきている。日本では「転職=収入アップ・地位アップ」につながらないのが現実だが、よい転職ができれば結果はついてくるもの。人生を好転させ、自身を輝かせるステージとなる職場は必ずある。では、その見つけ方とは?

「安倍政権は『女性の活用』を掲げた政策を打ち出していますが、正直、転職市場でその影響はあまり感じられません。それよりもここ数年、女性の力を望む企業が増えているのは確か。

しかし、それは性別の問題ではなく、部署内の男女比バランスを考え、女性の力を加えたいという求人側の要望。ただ、育児中の女性の割合は多くありません。転職市場は20代後半~30代前半が主。育児中の方が不利というわけではなく、会社側としても制度を整え、モデルケースをつくっていきたい気持ちは十分にあるのです。子どもがいるからラクな職場に移りたいというのではなく、子どもがいても自分が目指すキャリアプランを実現できる職場に移りたいという意識の高い方なら理想の職場に出合えます。

私が手掛けるケースでは、約20社に応募して、その中から面接に至るのは平均3、4社。企業のニーズと合えば2、3社から内定が出る方も。理想の転職をかなえるためにも、選択肢として複数社の内定は欲しいところ。そのためには、目的意識を持ち、短期決戦、戦略を持って挑むことが大切。転職で人生を好転させたいなら、まずは7つの法則を押さえておいてください」

【法則1:実績を積む】現職でキャリアにつながる仕事をやりきった自信がある

転職活動を始めるなら、まずは冷静に自分が関わってきた仕事内容を思い出してください。どのようにアプローチし、どういう結果に至ったか思い起こしてみてください。そして、あなたが描くキャリアビジョンを実現させるために、何が必要なのか、次の職場で何がしたいのか、どんな職場なら自分の能力を最大限に発揮させることができるのかを考えます。いわゆるキャリアの棚卸しを行い、自分の能力を最大限に発揮できるステージはどこなのか探ります。

転職はこれまでにやってきたことが問われるので、職種が同じで、同業種、しかも競合他社に移るなら、即戦力として企業側からも歓迎されます。しかし、職種や業種を変えるときは慎重に。転職の難易度は一般的に次のとおり。

・同職種/同業種→簡単
・同職種/異業種→比較的簡単
・異職種/同業種→やや難しい
・異職種/異業種→難しい

職種が同じで別の業種に移動するのはよくあるケース。しかし、職種を変える場合は、同じ業種でも難易度が高くなります。別の業種の違う職種に移りたいというのであれば、さらに難易度がはね上がります。それでも、職種を変えたいのであれば、今までやってきた仕事がどのように活かせるのか再考を。自分の経験やスキルを顧みて、やりたい職種と似ている部分や共通項をイメージし、異職種でも培ってきたスキルを活かせることを、相手に納得させられれば、異職種への転職もかないます。

この考えは、異職種への転職だけにいえることではありません。何が自分の得意なことなのかに焦点を当て、何が自分にとってのアドバンテージなのかを考えることは、あなた自身のキャリア構築力、キャリアを自立的に形成していく力となるのです。そして、成長の可能性を見つけ、視野が広がれば、次のステージも見つけやすくなります。

明確なキャリアプランがなく、漠然と今の職場に不満を抱き、「やりたい仕事ができる環境に移りたい」と思っているなら、転職先で満足できる保証はありません。そういう方は、今いる職場で努力し、結果を出してから転職を考えるべきです。

資格があるから、次は資格を活かした仕事がしたいと考える方もいます。しかし、資格は持っているだけではダメ。資格を使った実務経験がなければ意味がないのです。英語力を活かした仕事をしたいと考え、外資系企業を狙うのも同じこと。大手外資は日本人比率も高く、実際に英語力を活かせる場面はさほど多くありません。資格も英語力もビジネスツールのひとつ。転職で人生は好転できますが、資格で人生を好転させることはできません。資格を活かしたいなら、資格を使って結果を出してからもう一度考えましょう。

転職エージェントには「キャリアコンサルタントが面接した30人のうち、転職に成功するのは4、5人」というデータがあります。私も多くの方にお会いしてきましたが、今の会社でキャリアを積んだほうがいいと思う方が大半でした。経験やスキルが足りずに案件を紹介できないことも。今はどこも人材不足なので、転職したいと思えば、理想はともかく仕事は決まります。しかし、それで人生を好転させることができますか? 中途採用者に求められるのは“即戦力”。結果を出してきた方だけが転職市場で高く売れるし、次の職場でさらなるキャリアアップを目指すことができるのです。

高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ 代表取締役。総合人材サービスのインテリジェンスに入社。転職サポート実績No.1を記録し、独立。3000人以上の経営者には人事や経営について、8000人以上の個人にはキャリアアドバイスを行ってきた。