150年の歴史から「成長の新時代へ」

新年の始まりは、自分自身を振り返るのに良い機会です。日本には「書初め」をして新しい年への意気込みを記すという文化があると聞いています。ここで、皆さんも「書初め」をするような新たな気持ちで、私と一緒にシンプルですが重要な質問について考えてみませんか。皆さんは仕事上でどんなときに自分自身に誇りを持てるでしょうか。

この質問は今年、弊社で社員に問いかけている質問でもあります。2015年から弊社は「Be Proud」というスローガンを導入しました。これは、共通のアイディアや注力分野について、今後12カ月間、社員に団結してもらうための社内ブランディングの取組みを象徴するものです。今回は弊社がこのスローガンを選んだ理由と、このスローガンが弊社と生命保険業界にどのように関連するかお話させていただきます。

生命保険会社として弊社がお客さまにご提供するのは、将来お客さまに万が一のことがあり保障を必要とするときに、お客さまに寄り添いサポートするという将来に渡るお約束です。メットライフはこの約束を約150年間果たしてきた誇りがあります。

メットライフが最初の保険契約を締結したのが1868年で、日本では明治元年、明治維新の時になります。またメットライフは、1912年のタイタニック号沈没による犠牲者への保険金を支払った最初の生命保険会社です。そして、日本に進出して初めて日本人向けの保険販売を開始した外資系生命保険会社でもあり(1973年にアメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー日本支店として営業開始)、これまで革新的かつ幅広いリスクに対応できる商品を提供してまいりました。

現在、メットライフはさらなる成長を推進するため、グローバルでも国内でもビジネスのあり方を変革中です。現在、メットライフにとって日本は米国を除いた世界最大の市場で、最も重要な市場のひとつです。日本におけるメットライフ生命はメットライフ全体の利益のおよそ15~20%に貢献しています。外資系企業の多くが日本を成長可能性が限定された成熟市場と捉える中、私たちは日本でのビジネスを市場成長率の2倍~3倍で拡大させることを目標としています。

「シェアードバリュー」と日本の商道徳

先に述べたような大胆な成長目標を達成するためには、もちろんこれまでのやり方では通用しません。弊社はビジネスのしかたを変革し、お客さまはもちろんのこと、ビジネスパートナー、株主、社員、そして弊社が業務を展開するコミュニティーに対して、より多くの価値を提供していきたいと考えています。

「シェアードバリュー」という経営指針は、企業が社会的に与えるインパクトに関する考え方の一つとして、近年、企業のマネジメント層やビジネススクールで盛んに議論されているテーマです。「シェアードバリュー」の考え方では、成長を達成するためにコミュニティーに犠牲を強いる必要はありません。

「シェアードバリュー」は企業の社会的責任(CSR)のように業務の周辺にあるものでなく、その会社の事業に関する考え方の中心を成すものです。つまり、優れた企業は社会のニーズや課題を視野に精力的に業務に取り組むことによって、経済価値を生むと同時に社会にも皆で共有できる価値を創造することができるのです。

この哲学は日本に大変適していると思います。日本の商道徳には「企業は株主だけでなく、すべてのステークホルダーのための長期的価値を考慮しなければならない」という考え方があると思いますが、まさに、「シェアードバリュー」と考えを同じくするものと思います。

では、「シェアードバリュー」がメットライフと日本の生命保険業界にどのように関連するのでしょうか。

メットライフで働く誇りとは

現在日本の人口の4分の1は65才以上で、この割合は2050年までに45%に達すると予測されています。社会の高齢化によって、労働力の減少と被扶養者の増加が見込まれており、国及び地方自治体の財政圧迫や、医療や年金給付等の分野での不確実性が高まっています。

その結果、日本では、お客さまは安定や安全を求めて弊社のような企業のサービスにますます目を向けてくださるようになっています。私たちの調査によると、現在、お客さまが軽減したいともっとも重視しているリスクは、医療であるという結果が出ています。医療保険とガン保険の単独商品市場は、過去3年間の年間成長率がそれぞれ3%と8%と拡大しています。加えて、円安とインフレ率の上昇によって、外貨建の保険商品や年金商品に対するニーズも高まっています。

このような変化の中で、弊社は商品とサービスを通じてお客さまに経済的な安心を提供できると確信しています。これは、社会との価値の共創であり、弊社のミッションである「人生の『もっと』をかなえる応援をします」の実践に他なりません。例として、弊社のガン保険での特約は、陽子線治療などの患者が全額自己負担となる先進医療に対して保障を行っています。それにより、患者であるお客さまは治療時はもちろん、治療終了後も経済的に安心して生活することができるのです。私たちの事業がお客さまの生活に安心を提供できることを私たちは誇りに思ってよいと思います。

私自身は日本の人々の生活を変化させ支える生命保険会社の社長であることに誇りを感じます。また、これからも弊社のコンサルタント社員、保険代理店、金融機関や、電話やWEBでのダイレクト販売を通じて、人々の経済的な安心と共に人生の『もっと』をかなえる応援をしてまいります。

2015年、私が社員にしてもらいたいのは、立ち止まって自分の周囲を見渡し、自分自身がメットライフで働くことを誇りに思えることは何かを考えることです。私たちには誇れるものがたくさんあります。その誇りは、お客さまをあらゆる判断の中心に捉え、お客さま中心主義を実践していく糧になり、私たちをお客さまから信頼される会社に導くものと思います。そして、これまで約150年間にわたり成し遂げてきたことを称賛できるよう、さらなる成功に向けて変革や成長にかかわることを目標に努力していきたいと思います。

メットライフ生命保険株式会社 代表執行役 会長 社長 最高経営責任者
サシン・N・シャー

1967年生まれ、米国出身。米国スティーブンス・インスティテュート・オブ・テクノロジー卒。99年メットライフ入社。2011年アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニーリージョナル専務執行役員、12年メットライフアリコ代表執行役専務最高執行責任者などを経て、現職。