男女には右脳や左脳、脳梁の太さなどに違いがあり、そのため「男性は論理的、女性は感覚的に話す」などといわれがちですが、実は確固たる証拠はありません。

一方、心理学には「同化」と「対比」という考え方があります。同じカテゴリーに属するもの同士の差異は小さく、違うカテゴリーに属するもの同士の差異は大きいと感じやすい。違うカテゴリーの最たるものである男女の性差は、とかく過大評価されがちなのです。

ジェンダー心理の観点から見ると、生物学的な差異よりも、むしろ親の養育態度や、社会から求められる「男らしさ」「女らしさ」といった、社会的要因のほうが強く影響しています。

さらには、女性は物事と物事の間を連合させる「連合記憶」という能力が男性より高い傾向にあります。男性から見たら女性の話が飛んでいるようでも、女性同士であれば、2つの事象の連合スピードが極めて速く、それらの関連性が理解できます。しかし男性は、そのスピードについていけず、話の流れが突然飛んだように感じるのです。

実はここにも社会的要因が絡んでいます。女性は小さい頃から友達同士でお互いの話をしたり、秘密を共有したりと、関係構築のためにたくさん会話をします。相手に自分の個人的な感情などを伝えることで対立を避けて理解を深め、良好な関係を維持しようとするからです。

男性は、趣味や仕事などの何かを媒介にして交友関係をつくるので、手段的な関係性ともいえます。小さい頃の遊び方も、ルールのあるゲームを通して、仲間意識を強くしたり競争することを学びつつ、人間関係を築いていくため、根本的に女性と異なります。

最後まで聞くのが女性にモテるコツ

とはいえ、ここで「そんなに違うんだったら仕方がない」と、お互いをわかり合おうとせず、そのための努力をしないのは本末転倒です。

人が誰かに何かを説明するとき、性別を問わず「詳細型」と「全体型」の2つに分類できます。「詳細型」は、本筋だけでなく枝葉の部分までこと細かに説明します。詳細は伝わるものの、要点がまとまっていないと受け止められることもあります。「全体型」は要点をきちんと押さえた簡潔な説明方法です。後者のほうがビジネスの現場で求められる話し方です。

やはり女性より男性のほうがビジネスの世界で長く生きていますから、「全体型」のような話し方が自然と身についていきます。もちろんキャリア女性も、この話し方ができなければ仕事にならないわけですから習得に励みます。つまり、訓練や経験を重ねれば、性別を問わず、論理だてて簡潔に話せるようになってきます。

ですから、どうか男性のみなさんも、「詳細型」で話が飛びがちな女性を前にしたとき、「面倒臭そう」と敬遠せず、まずは話を聞いてみてください。ここで男性が得意な論理だてを駆使して、本筋とは関係ない部分を整理し、自分なりに要点を把握してください。

とにかく最後までしっかり話を聞いてあげ、「それはつまりこういうことだよね?」「それは大変だったね」と共感を示せば、その女性は「この人はわかってくれる!」と、非常に喜び、満足感を感じてくれます。これができれば、かなりモテると思いますよ(笑)。

愚痴をいったり甘える場所として銀座のクラブに来ている男性は多かったですし、そこを上手に話を聞けるホステスは人気があります。「誰にもいえないことでも、君にはいえるんだよね」といわれれば勝ったも同然(笑)。

お互いの心理的な特徴を理解し、それを上手に反映させることができれば、異性間でも良好な人間関係を築くことができます。

心理カウンセラー 塚越友子(つかこし・ともこ)
東京女子大学大学院社会学修士号取得。報道・広報の仕事に携わった後、銀座でホステスに転身。豊富な人生経験と高度な臨床技法をベースにカウンセリングを行っている。