(2)的を絞った質問をしよう

上記の各問いについて検討することは、候補者の中にどのような資質を探せばよいかを明確にするのに役立つ。履歴書を精査する際には、「候補者の人格的特性が自ずと明らかになる、というような経験を探そう」と、ホートンは述べている。たとえば、仕事をしながら学ぶ能力を判定するためには、候補者の職歴の中から馴染みのない分野に移った時点を探し出す努力をしよう。難しくてさっぱりわからないと感じた時期について、また、それにどのように対処したかについて尋ねよう。対立や突然の変化に対処する能力を見るためには、仮定の状況を持ち出して「このような場合はどう対処しますか」と聞くのではなく、過去に仕事上の予期せぬ危機に対して実際にどのような行動をとったかを尋ねよう。

(3)本心からの答えと模範解答の丸暗記を見分けよう

候補者が本心を語っている場合と、面接官が期待している答えを述べているにすぎない場合を見分けよう。

連邦政府のエイズ治療薬補助制度(ADAP)の運営サービスを行っているカリフォルニア州プレザントンの保健関連組織、ラムゼル・ホールディング・コーポレーションのCOO(最高執行責任者)、トム・ローカーは、求職者に質問するとき、不誠実さや無関心さを窺わせるあらゆる点を探すという。「私の組織は弱者のために活動しているのだから、組織の理想に本気で取り組む人を採用することがきわめて大切だ」と、彼は言う。「文化的な相性は教育面での適格性より重要と言えるほどだ。教育は後から習得できる」。

そのため、彼は候補者の履歴書を無視して、「あなたは自分がどんな人間だと思いますか」とだけ質問することが多い。彼のお気に入りの質問はもう1つあって、それは「仕事とは関係のない、あなたの生きがいについて話してください」である。

このような質問に対しては、模範解答の丸暗記ですませることはできないと、ローカーは言う。彼は誠実さと熱意が伝わってくる回答をした求職者に高い点数をつける。