問題解決のために型破りな方法をとることも辞さない勇気、対立を調停する能力、現状を疑ってかかる自立した精神……といった資質を面接の間に見つけるのは骨の折れる仕事だろうが、それは十分に骨折りがいのあることだ。急速に進化している業界にいる企業や意欲的な成長目標を掲げている企業、あるいは大規模な組織変革を進めている企業の場合はとくにそう言えると、人材の専門家や採用に携わっているマネジャーは語る。彼らが勧めるのは、次のような3段階のプロセスだ。

(1)必要な資質を明確にする

 『「強い」会社は、どこが違うか──勝ち続ける企業の“シンプルな法則”』(2005年)の著者で経営コンサルタントのローレンス・ホートンは、そのポジションに求められる資質について次のような問いを立てて検討することを提案している。

・創造的問題解決力はどれくらい重要か?

そのポジションに就く人物が、瀕死のブランドを蘇らせるとか、顧客のためにいままでなかった解決策を見つけるとか、サプライチェーンを統合するとかいったことを成し遂げる必要がある場合には、既存の制度の内外双方で創造的な動きをすることによって解決策を見つける能力が求められる。

・非常時の冷静さは必須要件か?

その人物は、格別に予測しにくく、ときには不愉快なこともある労働環境で働くことになるか。そうであれば、危機に直面しても冷静さを失わずに対処できる人物でなければならない。

・迅速な学習能力はどの程度重要か?

競争環境が変わりやすく予測不可能な変化が日常茶飯事であるなら、そのポジションに就く人物は迅速に学習し、適応する柔軟性と明敏さを備えている必要がある。

・影響力と説得力を使って仕事を進める能力は必須要件か?

フラットな組織や協力・協働を重視する企業文化では、説得力と影響力を効果的に使う能力がきわめて重要なスキルになる。候補者はこのスキルを磨く環境で働いた経験があるか。他人と協働したり、自分の権限が及ばない相手から支援を得たりするために必要な感情知能(EI)を備えているか。