一方で、

「さっき送ったメール、見た?」

なんて、携帯に電話をかけてくる人もいます。急いでいるなら最初から電話をかけたらいいじゃないですか。「ちょっと急ぎの相談があるんだけど、今、大丈夫?」って電話である程度説明して、詳しいことは後でメールしてくれればいいのに、先にメールを送って5分後に「おい、メール見たか」。おかしいですよ。詳細が先で概要が後って、普通ないでしょう。でもメールと電話は、なぜかそれがありうるんですよね。

職種にもよるでしょうけど、相手がメールに張り付いていることを前提にしないでほしいですね。タイムラグがあるからメールが便利なわけで、即効性を求められても困ります。

そうなるとPCや携帯電話、スマホに張り付くようになって、いつも何か来るんじゃないかとおどおどして仕事が受け身になってしまうし、それでほかのもっと重要でじっくり考えるべき仕事に時間が取れない、という悪循環に陥るんです。メール基点で組織の生産性が落ちるという典型例ですね。

最後に、もっとも壮大なムダをつくりかねない口ぐせをあげておきましょう。それは、

「とりあえずやってみよう」

です。

あるアンケート調査で、コンサルティング会社が30枚ぐらいのリポートを書いてきて、それぞれのマーケットの競合比較をしようとなったんですが、どれを読んでも僕やお客さんの常識と全く違うんです。「これ、どういうふうに解釈しましょうかね?」って30分くらい話し合っていたのですが、よくよく見たらサンプル数が少なすぎて、そもそも統計的に無理があったことに気づきました。いわばリポート自体が無意味ということです。最初の時点で、この先分析を進めても仕方ないということに気づかなかったせいですね。

リポートを作成したスタッフ4人の1週間×約10時間も、それを一生懸命読み解いた僕たち5人の時間もパーです。

これはあくまで一例ですが、時間をムダにしないためには、意図であれ分析方法であれ、最初の方向性や前提条件を間違えないことが何より大切なのではないでしょうか。

山崎将志
1971年、愛知県生まれ。94年東京大学経済学部卒業後、アクセンチュア入社。2003年に独立し、複数のベンチャー企業を立ち上げる。著書に『残念な人の思考法』(日本経済新聞出版社)、『残念な人の口ぐせ』(KKベストセラーズ)などがある。
(構成=小坂井良子 写真=PIXTA)
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