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2013年7月8日(月)

nendo佐藤オオキの“もの”トークものへのこだわりは世界No.1デザイナーならではだった!

PRESIDENT Style
取材・文・撮影/デュウ 写真協力/nendo、IWC
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ディテールを見るか、俯瞰で見るか

「bottleware」(2012年©Coca-Cola)。
コカ・コーラのリサイクルボトルでつくった食器コレクション。ボトル特有の色や細かい気泡、ガラスの歪みを生かしてデザインされた。

──編集部(以下省略) 昨年『Wallpaper』誌や「ELLE DECO International Design Awards」でデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞されました。世界的に活躍する佐藤さんから見て、日本と海外のものづくりにはどんな違いがありますか?

佐藤オオキ氏(以下省略) 日本のクライアントと話していると、職人さんなど現場レベルもプロジェクト担当者も、社長クラスでもそうですけど、品質重視の考え方が強い印象です。結果、ものはいいけどなぜか売れないとか、見る人が見たら分かるんだけど、という問題に直面しているケースが多いですね。度合いはそれぞれですけど、いいものさえつくっていれば売れるんじゃないかというスタンスがあります。その点、海外はブランディングという考えが強くて、自社のアイデンティティーを意識しながら、ユーザーが本当に求めているものを考えてものづくりをしている。それぞれいい面と悪い面があるけど、日本は特有の職人気質が浸透し過ぎている部分がある気がします。

──日本と海外では佐藤さんのかかわり方も違いますか?

求められる役割が違います。日本の場合は製品の良さをどうやってユーザーに伝えるか。一方、海外では僕たちnendoもひとつのブランドと見られています。ブランド同士のコラボレーションである以上は、なにか化学反応が期待されます。そのため、最初にブランドについて徹底的に勉強することになります。どんな歴史や価値を持っていて、どんな部分が強みで、どういうコミュニケーションを行ってきたのか。それらを踏まえたうえで、どうnendoらしく料理するかを考えます。たとえるなら、ぽんと高級食材を渡されて、さあ腕を振るってみなさいと。そういう感じはありますね。日本の場合は、とりあえず一緒に冷蔵庫を開けてみたら「えー!意外といい食材あるじゃないですか!」という感覚(笑)。日本のものづくりはディテールにこだわるので、面白い食材を一緒に探すところから始まります。どっちがいいとかそういうことはなくて、日本と海外では根本的に性質が違う気がします。

──デザインをするうえで日本人らしいと思うことは?

日本人が得意なものの見方はあると思います。きめの細かさというか、かなり詳細まで見ることができる気がします。一方、ざっくりと全体を把握する能力はヨーロッパ人のほうが長けているかな。構成力とか色の組み合わせとか、全体を俯瞰する見方はヨーロッパ的な見方だと思います。日本人はすごく細かいところまで気を配り、そこにこだわった結果としてクオリティーの高い全体が出来上がるという感じです。点から広げていくような。日本人デザイナーとしてそういった強みを意識しながらものづくりをしていますね。大胆なフォルムで大味な勝負をするとヨーロッパのデザイナーの土俵になってしまいかねません。

デザイナー 佐藤オオキ

1977年カナダ生まれ。2002年デザインオフィスnendoを設立。プロダクトから空間、建築まで、手がけるデザインは多岐にわたる。2006年には『Newsweek』誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。現在は国内外約200のプロジェクトが同時進行する超人気デザイナー。ニューヨーク近代美術館やポンピドゥーセンターといった世界的な美術館に収蔵される作品も多い。東京のほかミラノにもオフィスを構える。

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