Q インターネットが社会インフラとして定着する中で、UCOMは今後どのような付加価値を社会に提供していきたいとお考えですか。

鈴木 たとえば、検索サービス一つを取ってもそうですが、私たちはネットを通して何かを発見したり、法則性を見出したり、ひらめきを得る。そうした多様な接点を容易に持てるということが、インターネットの最大の特性だと思います。そして多様な接点によって人と人とがつながることで世の中は活気づいて、新しい仕事の形やライフスタイルが生まれてくる。いわば“創発的”な価値の創造です。

我々に求められている付加価値というのは、そうした活き活きとした仕事ができる場、あるいは生活空間を提供することではないかと思っています。UCOMという会社がプラットフォームになり、インターネットを基盤としてパートナー企業の皆様と共に、これからの時代へのイノベーションを支えたり、より快適でスマートなビジネス空間やライフスタイルを提供していく──。図のようなイメージです。

UCOM
UCOMが担う「スマートプラットフォーム」のイメージ。ビジネス、暮らし双方の分野で多様なパートナーと協業し、これからの時代に向けたイノベーション創出を支えるビジネススタイル、ライフスタイルを提供していく。

Q 最後に、さらなる躍進に向けた意気込みをお聞かせください。

鈴木 今は我々にとって「天の時、地の利、人の和」が揃った絶好のタイミングだと思っています。「天の時」というのは、ブロードバンドサービスがいよいよ本格展開期に入ったということ。世の中全体の景気が上向き始め、投資に前向きな雰囲気が出てきたことやインフラ環境が整ってきたことも含めて「天の時」だと思います。

「地の利」というのは、都市部の集合住宅に多くの人たちが暮らしているということ。少子化で人口が増えないといっても、新しいマンションはこれからもつくられていくし、そこでよりよい生活をしたいと考える人たちが大勢いる。都市部には新しい産業や技術を生み出していく中堅企業も多い。そこに特化したビジネスを展開してきたのは「地の利」だと思っています。

そして「人の和」。長年培ってきたデベロッパー各社との信頼関係は厚い。また、我々は法人のお客様に対して、ただ回線を売るだけではなく、販売ルートや販売チャネルとして、あるいは新しいビジネスのパートナーとしてお付き合いを深めてきました。今年2月には約100社の法人パートナー様にお集まりいただいて、「ブロードバンドサービスの本格展開期というフェーズを大きなチャンスととらえ、皆で一緒に打って出よう」ということでの決起集会を開きました。天の時、地の利、人の和、三拍子揃ったUCOMの挑戦にご期待ください。