常に「仕入れ」を怠らない高い成長意欲があるか?

成長するために必要な学びや気づきはどこから得られるのかというと、インプットです。他人から意見やアドバイスをもらったり、本を読んだり、セミナーや勉強会へ参加したり。常に高い成長意欲を持っている人には、次々と新しい学びのステージが訪れます。また、自分自身で何かに挑戦したり体験したりすることも、有効なインプットです。事業でいえば「仕入れ」ということになるでしょう。

超一流の人は、どれほど仕事が忙しくても、またトップを極めていても、新たな仕入れを怠らないものです。

福岡ソフトバンクホークスの小久保裕紀選手もそんな1人です。本が大好きで、著者の講演やセミナーによく参加するそうです。なぜその本を書いたのか、著者だけが持つ体験や価値観を聞くために著者に会いに行くというのです。

シーズン中であっても、空き時間を見つけて行くのですから、その成長意欲は相当なものです。時間やお金をつぎ込んででも、自分にはない体験を買うことの価値を、彼は知っているのです。

こうした仕入れの成果は、彼が発するメッセージの強さにも表れていると思います。試合でピンチが訪れると、チームメートに励ましの言葉をかけて盛り上げるといいます。これまでに本を読んだり、著者に会ったりして学んだことを血肉にしているので、言葉にも力があります。昨季、日本シリーズで小久保選手がMVPに選ばれたのは、打率がよかったからだけではなく、ソフトバンクを日本一に導いた影響力が評価されたからでしょう。自分の現状に満足することなく、学びを積み重ねてきた結果だといえます。

こうした学びの場を、優れた経営者は社員に与えているものです。けれどもそれに気づかず、せっかくの場で居眠りしてしまうなど、チャンスをふいにしている人が多いように見受けられます。それでいて、「自分にはチャンスが与えられていない」と文句を言うのは筋違いです。

学びは与えられるものではなく、自分から積極的に取りにいくものです。そういう意識で学ぶ人だけが、さらなる成長のステージに到達するのです。