地域単位にせよ国別にせよ、順を追って市場浸透を図るマーケティング戦略が、それまで伝統的に採用されていた企業戦略であった。マーケットAに企業と製品の地歩を確立したなら(しかもそれができた場合に限り)、次のマーケットBに進出したのである。ところがヘンリー・ベントは、もし優れた製品をもっているのであれば、複数の市場に同時に浸透を図る「スプリンクラー型戦略」をとるべきだと提案したのである。この戦略を達成する方法のひとつが、戦略的クロスボーダー・アライアンスである(このテーマについてはTriad Power〈Simon & Schusterより一九八五年に刊行、邦題は『トライアド・パワー』講談社〉で論じた)。