私は、デジタル情報革命によって、アメリカ企業の中に突然変異のハリウッド版「ゴジラ型企業」が誕生したのではないかと思う。つまり、人間は20年かけて大人に成長するが、ハリウッド版『ゴジラ』は卵からかえると、たった2~3週間で巨大になる。それと同じで、アメリカの企業の中に経営的な染色体異常によって、卵からかえるやいなや、栄養を摂取して急激に成長する「ゴジラ型企業」が出てきたという感じがするのだ。“ゴジラ型企業”が生まれたのは、経営の世界にハイゼンベルクの不確定性原理の空間ができたからだ。ハイゼンベルク(1901~76年)はドイツの理論物理学者で量子力学の創始者である。量子力学でいうハイゼンベルクの不確定性原理とは、光は無限の粒子からできているが、本当に粒子かどうか量ろうとすると波動になる、しかし波動として測定しようとすると粒子になる。つまり、光は粒子と波動のどちらでもあってどちらでもない、というややこしい理論だ。

このハイゼンベルクの不確定性原理が現代物理学の基礎理論になっているのだが、いま我々が経営の世界で入り込んだのが、まさにハイゼンベルクの空間なのである。すなわち、実際の世界でありながらサイバーの世の中に入っている。