反日教育に転換する前の中国は、もっぱら反米・反資本主義教育でした。実際、60~70年代のそれは、半端なものではありませんでした。『毛沢東語録』を掲げ、“悪の帝国”アメリカの思想を批判する反資本主義教育を徹底していた。

しかし現在、国家を挙げて資本主義街道を邁進する中国のどこに、その教育の面影があるでしょうか。留学したエリートたちはすっかりアメリカナイズされて帰ってきて、若い人たちは熱心に英語を学んでいる。

今や中国へ行っても、『毛沢東語録』など持っている人はどこにもいません。ある中国人の経営者がふざけて、私の『ビヨンド・ナショナル・ボーダーズ』(地域国家論)という本をうやうやしく掲げ、「四十年前はこうやって『語録』を持っていました。でも、今はコレです」などと言っていました。

イデオロギー教育の刷り込みなんて、そんなものなのです。