若いときはほとんどの男性が、男のものは長く太くないと女性は悦ばないと思い込んでいたはずです。ピストン(往復)とスラッシュ(こする)運動を延々と繰り返すことで女性はオーガズムに達する、と。

実は、男が思うほど、女性は激しいピストンとスラッシュを望んでいません。年をとれば、さまざまなテクニックも身につき、若かりし頃にはなかった「変化球」を駆使できる。また、オーガズムに達するまでに時間がかかるため、長い時間をかけてセックスをすることができる。だから、女性を虜にできるのです。

よりよい不倫をするためには、「会話力」も必要です。女性は知的な会話に飢えています。人生経験に裏打ちされた真の情報を知りたがっています。中高年の男性にも、チャンスがあるわけです。

また、よき聞き役に徹し、話を膨らませてくれる男性を女性は欲しています。「俺は……」と自慢話をしたがる男性は多いのですが、それでは女性から尊敬されません。50歳を過ぎた男性に求められるのは、

「自分のエゴを捨て、相手の魅力や願望を引き出すこと」。不倫における「会話力」の9割は、「聞く力」に集約されるといってもいい。

とはいえ、「口説き力」がないと不倫には発展しません。私の場合、女性から言い寄られることが多いのですが、決め台詞も用意しています。

「君とつき合ったら、自分の運が上がるような気がするんだ」

アゲマンと言われてうれしくない女性はいません。そんな女性の心理を読んだ「褒め力」も、不倫文化を謳歌する秘訣かもしれません。

(構成=大塚常好)