2013年6月28日(金)

「ずっとアタックしていきたいですね」-鈴木彩香

コーチの名言+PLUS—闘う者を磨く「ことば」の力【第40回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
松瀬 学 まつせ・まなぶ
ノンフィクションライター

1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書は『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)など多数。

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松瀬 学=文と写真

鈴木彩香(ラグビー7人制日本女子代表)

鈴木彩香●1989年、神奈川県横浜市出身。身長168センチ。中学時代は陸上部にも所属し、100mハードルで県大会優勝。中学2年時にラグビーのユース強化一期生に。2007年に7人制日本代表、08に15人制日本代表に選出。2010年、U23香港ウィメンズセブンズでキャプテンに就任。2012年、立正大学大学院入学。横濱ラグビーアカデミー所属。

ラグビーの7人制日本女子代表がワールドカップ(W杯)セブンズ(27日開幕・モスクワ)に挑む。愛称「サクラセブンズ」の発表記者会見。エースの鈴木彩香は約50人のメディアを前に少し緊張気味だった。

7人制ラグビーが2016年リオデジャネイロ五輪の正式競技となって、女子ラグビーを取り巻く環境が激変した。メディアの注目度の変化を問われると、「びっくりです。昔はこんなたくさん、いなかったですよ」と笑顔を振りまく。

「女子ラグビー全体としては喜ばしいことだと思います。五輪競技になって、他競技から選手が転向してきたし、女子の競技人口も増えています。そんな中、自分には日本代表として戦う責任がある。結果を残して、子どもたちに夢や感動を与える選手にならないといけないのです」

女子代表は体力をアップさせるため、ハードワークを積んできた。いまや強化合宿の茨城・勝浦の砂浜トレーニングは代表の名物練習となった。

「いろんな練習をしてきました。砂浜でたくさん走って、高校生のように砂だらけ、泥だらけになりながら……。こんなの代表選手がやるのかという練習もあったけれど、それが自信になっています」

横浜市出身。小学校2年でタックルのないタグラグビーと出会い、やがてラグビーに転向した。17歳で日本代表入りを果たし、数々の国際舞台を経験してきた。4年前の前回W杯にも出場したが、1勝も挙げることができなかった。

「4年前はチーム最年少だったけれど、いまは中堅というか、チームの柱になる人だと思うので、本当に責任があるなあと思っています。みんながつらい時でも、からだを張って、声を出して、チームを盛り上げていけるようにしていきたい」

W杯セブンズでは1次リーグでロシア、イングランド、フランスと格上ばかりと対戦する。サイズやパワーでは劣るが、運動量と素早いつなぎでカバーする。

「しっかりと質の高い運動量で走りまくって、開いたスペースにボールを運んでいきたい。1対1の勝負でも相手をずらしていく。どんどん前に出ていく。ずっとアタックしていきたいですね」

立正大大学院の23歳。サクラセブンズのエースの視線の先には「リオ五輪の金メダル」が置かれている。

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