出世競争に負けた同期をどう扱うか

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同期とのポジション争いに勝って昇進した場合には、対処せねばならない複雑さがもう一つ増える。「敗れた元同期は、その事実に典型的な形で反応するだろう。落胆するのだ」と、ワトキンスは言う。場合によっては、不干渉を貫いて、その人物が新しい状況に適応するのをただ待っていることが必要かもしれない。だが、彼の仕事ぶりを高く評価していること、彼の能力開発を支援するつもりであることをはっきり知らせることは重要だ。

たとえば「落胆する気持ちはわかるが、あなたはこのチームの重要なメンバーであり、私はあなたが成功のために必要なものを必ず習得できるようにするつもりだ」というようなことを言ってもよいだろう。

かつての同僚の上司になることには、もちろんプラス面もある。ワトキンスは「組織の中から管理職に選ばれた人間は、その組織の力学を外部の人間よりよく知っている」と指摘する。また、サットンは「フィードバックを与えてくれたり、自分が混乱しているとき、脇に連れ出して、それを指摘してくれたりする信頼できる人間をより見つけやすい」と言う。既存の人間関係を活用して、率直なアドバイスを求めよう。

こういったケースにおいては、ついかつての同僚に過度に注意を集中させてしまいがちだ。だが、「新しい同僚や新しい上司とうまくつきあうことを忘れてはならない」と、ワトキンスは釘を刺す。「挑戦はそこにもあるわけで、関係の築き直しが必要だということを自覚しなくてはならない」。

新しい同僚から信用を得るにはどうすればよいか、新しい上司と関係を築くにはどうすればよいかを考えよう。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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