2013年6月11日(火)

「『台湾の秋葉原』に行ってきました」

秋葉原☆マネタイズ【第13回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
梅本 克 うめもと・まさる
デジタルハリウッド大学客員准教授 Ph.D.(経済学)

梅本 克

1967年生まれ。1998年、ヴァンダービルト大学(米国テネシー州)卒。米国留学時より少女漫画の翻訳活動を通して日本文化の普及に努め、2005年にアジアアニメーション産業組織体(AAO)を立ち上げて、アジア各地でコンテンツ産業の育成や若手クリエイターの支援を行う。これまで国内外で多くのアニメ、ロリィタファッション、ヴィジュアル系など、日本のポップカルチャーに関わるイベントをプロデュースし、現在は秋葉原に活動拠点を置いて、新しい文化の創造と発信を通した地域活性化プロジェクトに携わる。趣味は仏像鑑賞とコスプレプロデュース。柔道二段と茶道石州流奥傳の資格を持つ。主な関心は秋葉原における趣味文化の経済学。

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梅本 克=文(デジタルハリウッド大学客員准教授)
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台湾の大人はなぜ眉をひそめないか

「台湾のメイドカフェFatimaid前にて」(モデル=chocolate 撮影=筆者)

東日本大震災のあと、台湾に初めて注目し、好印象を持った日本の若者は多いはずです。日本を支援しようとする台湾での動きは、政府だけでなく民間レベルでも驚くほど迅速でした。昨年末の時点で、金額トップの米国に匹敵する29億円もの義援金を集めて日本赤十字社に渡しています。

台湾と秋葉原は実によく似ていると私は常々思っていました。それは、新しいもの、珍しいもの、異質なものにも寛容で、許容性があることです。たとえば、台湾の若者たちがイベントに参加するために日本のアニメキャラのコスプレをして街中を歩いていても、眉をひそめる人はおらず、大人たちは微笑みながら眺めています。

台湾はオランダ、スペイン、清国、日本、そして中華民国と、歴史において様々な異なる文化を持つ人々による支配を受けてきました。しかし、その過程でそれらの新しい文化を吸収し同化していったのです。だからこそ、日本の新しい若者文化にも素直に好意を持ち、震災で困ったときは応援してくれる、台湾の人々の懐の深さを感じられるのです。

私は台湾と日本の若者たちが、秋葉原の趣味文化を通して交流し、より深く理解しあえる機会を作りたいと、2005年から年に数回のペースで台湾を訪問しています。これまで、台湾のコスプレイヤーやアニメクリエイターを日本に招聘したり、台湾でのコスプレイベントやアニソンライブに協力してきました。政治や思想では意見が異なることがあっても、互いの若者が興味を持てる趣味文化を介せば、新しい文化やビジネスを創るために協力し合うこともできると思うからです。海外でその可能性が一番大きなパートナーは、間違いなく台湾でしょう。

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