「職歴書の書き方はいろいろですが、最初に概要として経歴や実績をコンパクトにまとめ、次に得意分野やスキル、それから職歴の詳細を時系列にまとめるというスタイルが定番です。詳細部分も関わった仕事ごとに『状況説明』『成果(結果)』『自分の役割』と分類すると採用担当者は目を通しやすい。すべての仕事を書くと膨大になるでしょうから、ハイライトとなる経験だけを抽出するといいでしょう」(神川氏)

この職歴の詳細において採用担当者が知りたいのは、その人物が会社の利益になるのか、である。

「先述のとおり、コンサルタントに求められるのは、論理的思考力や問題解決能力なので、職歴にそれらを感じさせる内容が書かれていれば『会ってみよう』となる。プロジェクトを成功させて1億5000万円売り上げたという経験を書くなら、成功に導くためにどのような作戦を立て、どう実行に移したのか、つまりプロセスやアプローチの方法に重点を置くべきでしょう」(神川氏)

これは中途採用だけでなく、新卒採用でも同じ。サークル活動やゼミでの研究を通じてどのような成果を挙げたのか、どのような戦略のもとに導いていったのかを明らかにしなければならない。得意分野やスキルを書く場合も、単に事実を挙げ連ねるのでなく、その能力をどのように生かせるのかを具体的に示すことが必須だ。

一方、志望動機書については、コンサルタントを志したきっかけや、その会社を選んだ理由といったことに終始してしまいがちだ。なかには、もう何十年も前の学生時代の留学やボランティアの経験まで持ち出して、熱意を伝えるケースもあるだろう。

しかし、先ほども書いたように、担当者が知りたいのは、履歴書の人物が役立つ人材かどうかだ。応募理由についてはさらっとまとめ、コンサルタントとしてどのような活躍ができるかを具体的に書きたい。

「志望動機を書くとき、つい使ってしまうのが『勉強したい』という言葉です。これはNGワードで、書いた時点でアウト。採用する側からすれば、なぜ、お金を払って勉強させてやらなきゃいけないの? となるわけです。『吸収したい』も要注意ですね。自分に欠けている資質をあえて書くのであれば、その前には自分がどのような貢献ができるかを具体的に書くこと。そのうえで、『この分野は弱いので、入社後に研鑽していきたい』とすれば印象はいいでしょう」(神川氏)