デンマークの教育施策には、「すべての子どもは学ぶ権利がある。しかし、学校に答えを教える権利はない」という明確な哲学が貫かれています。私も同国の教育関係者に何人も会いましたが、共通して言っていたのは、「先生を『Teacher』と呼ぶからいけないのだ」ということでした。

「教える」ということの前提は「答えがある」ということ。しかし答えがない以上、教育の場では「教える(Teach)」という概念は否定するしかない。従って「教える人=先生(Teacher)」という概念も成り立たない。

「学校に答えを教える権利はない」と言い切るデンマークで、私が「ではこの国において、教育とは何ですか」と訊ねたら、「『Learn』です。生徒たちに自ら学んでもらうのです」という答えが、教育当局者の一人から返ってきました。