アイルランドが国家として独立した1922年、アイルランドの土地において圧倒的に高い比率を占めていたのは農地であった。独立したアイルランドの為政者も市民も、アイルランドの島の北東四分の一を占める地域を羨望の眼差しで見ていたが、この地域こそ大英帝国の支配地として残された部分であった。この地域は他よりもずっと豊かであり、工業化が広範に見られる唯一の地域であった。

したがって、島の残りの地域は、永久に緑で、唯一の輸出品は国外に出る移民のみという、言い換えれば貧しいままでいることが運命づけられているとさえ思われていた。このことがアイルランドの自信のなさを強めることになっていたのである。自分の力ではどうにもならないさまざまな力に打ちひしがれた国である、という被害者意識が強く存在していた。