休日なら昼間働いても「割増残業代」がつく!

名ばかり管理職、サービス残業などの問題が頻繁に取り上げられるようになった昨今、残業代にまつわる労働者の権利意識はこれまでにない高まりを見せています。全国の労働基準監督署が2006年度に割増賃金の支払いについて是正指導した事案のうち、1企業あたり100万円以上になったものは1679企業の18万2561名にのぼり、支払われた割増賃金の合計は227億円以上に達しました。これらの問題は最近になって突然出てきたわけではありません。単に注目を集めて顕在化したにすぎないのです。

いわゆる「残業」とは、法律で定められた「法定労働時間」を超えて働く、「時間外労働」や「休日労働」のことを指します。時間外・休日労働は原則禁止されていますが、労使間で時間外・休日労働協定を結び、労働基準監督署に届け出ることによって認められています。原則、休憩時間を除いて1週間に40時間、1日8時間を超えた労働を時間外労働とよび、1週間に1日の休日という週休制の法定基準を満たしえなくなる休日における労働のことを休日労働といいます。

ここでいう労働時間とは、「労働者が使用者の指揮管理の下にある時間」です。たとえば運転手の待ち時間など、実際の作業は行われず労働者が待機している手待ち時間も労働時間に含まれます。

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図1 所定労働時間を超えても、「法定労働時間」を超えなければ残業にならない
図2 一番稼げるのは「休日の深夜残業」だが、そうなる前に働き方を見直したほうがよい

また、法定労働時間は、就業規則にもとづく「所定労働時間」とは違うので注意が必要です。たとえば所定労働時間が7時間だった場合、図(1)のように1時間多く働いたとしても時間外労働とは認められません。よって、所定の賃金は支払われますが、割増賃金の支払い対象とはなりません。

時間外・休日労働には、それぞれに割増賃金の最低基準が決まっていますので、会社側はそれを超える額を支給しなければなりません。加えて、22時を超えて翌5時までの時間帯での労働は「深夜労働」になりますので、さらなる加算が必要です(図(2))。

純粋に残業代を稼ぐことのみを考えたとすると、「深夜」ないしは「休日」に働くのが効率的であるといえ、休日の深夜残業がもっとも割増率が高まります。しかし現実的な働き方ではありません。

ただ、残業や休日出勤を上司の許可制にしている会社もあるようですが、それだけで残業の可否を判断するというのは問題です。労働者からすると、残業や休日出勤が必要だから申請したのに、会社がそれを認めないということであれば、結局は所定労働時間内に終わらない業務は勤務時間外や自宅でやるしかなくなります。それが結果としてサービス残業になってしまいます。

しかし、ただダラダラと残業するのは会社側からみれば無駄でしかありませんし、本来であれば所定労働時間内に業務を終わらせるのが理想なのはいうまでもありません。