たしかにカダフィ大佐は88年のパンナム機爆破事件の容疑者を99年、ハーグ国際法廷へ引き渡し、さらに03年、米英の遺族に対し27億ドルの補償を行なうことを約束しました。同年には核開発の全面放棄も受け入れています。

しかし金正日が同じことをしようと思ったら、一体いくら払ったらいいのか。私はアイデアを出す学生に対し、いつも「コストを計算しろ」と突き返します。そうすることで実現性が明らかになり、議論が深まるからです。「リビア方式」と聞けば、「金正日にはいくら補償金を払う覚悟があるんだ」と質問するのです。

金正日はラングーン事件と大韓航空の事件だけで136人の犠牲者を出しています。また朝鮮戦争以降、韓国から拉致した被害者が約5百人いるといわれる。日本の拉致被害者も百人以上いるという指摘があります。

パンナム機およびUTAフランス機爆破事件の犠牲者へのリビアの支払額は1人当たり1千万ドルですが、同じ額で計算すると北朝鮮の支払うべき額は74億ドルにもなります。