──日本人の男性は、専業主婦の妻に給料を全額渡し、家計を任せ、自分はお小遣いという形でいくばくかのお金を持たされている人が多いようです。こういった習慣についてはどう思われますか。

奥さんが自分よりお金のことに詳しく、家計管理についてうまくやれると思うなら、それがいいのではないでしょうか。うちの場合は、妻より私のほうがお金に詳しいので、私がすべて管理しています。家計管理は、お金に一番詳しい人がするのが、お金持ちへの近道だと思いますよ。

ただし、誰が管理するにせよ、もし投資でお金を増やしたいと思うのであれば、自分が「知っているモノや人」に投資するべきです。私はずっとそのようなスタンスで投資してきました。

お金持ちになりたければ、時間をかけ、可能な限りの情報を集めて、隅々まで調べることです。よくわからないことを、わからないままにしておいては、成功からは程遠いでしょうね。よくわからないものなんかに投資するべきではないと思いますし、もしそうやって調べたり考えたりするのが面倒だと思うのであれば、最初から投資なんかしないほうがいいでしょう。

──では、日々の情報源についてお聞かせください。本、新聞、テレビ、インターネットなど世界にはさまざまな情報が溢れていますが、普段、どういったところから投資に関する情報を取られるのですか?

「フィナンシャル・タイムズ」は毎日読んでいます。「ウォール・ストリート・ジャーナル」に目を通すこともあります。インターネットは、やはり「フィナンシャル・タイムズ」や「ブルームバーグ」を見ます。この2つのサイトは非常に便利です。朝起きて、エアロバイクをこぎながら新聞を読んだり、パソコンのサイトを見たりすることが多いですね。

テレビは持っていません。何でみんなテレビなんか見るのかわからない。私にとっては時間のムダです。代わりにいつもBBC(イギリスの公共放送局)ラジオを聞いています。

ただし、メディアの情報に注意することも忘れてはいけないと思います。可能な限りの資料を取り寄せ、メディアの報道に疑問があれば、それを調べるために世界中のどこへでも出かけて行きます。同じ話についても、複数の異なる見解を知ることで、本当の姿が見えてくることがありますから。

本は今、ほとんど読みません。もともと読書は好きなんですが、最近はもっぱら娘たちに読み聞かせるだけですね。「3匹の子豚」とか「シンデレラ」とか(笑)。娘たちがもっと大きくなったら、もう少し大人向けの本も一緒に読むことになるでしょうか。