オプションなしの火葬だけなら20万円で可能!

ここ数年、葬儀を行わず火葬だけですます人が急増し、首都圏では全体の2割を超えたといわれる。「荼毘葬」「直葬」「ダイレクト・クリメイション」という名称で、火葬のみのプランを設定する葬儀業者も増え、徐々に広がりを見せている。

そもそも葬儀をしなければならないということは、どこにも定められていない。法律で決まっているのは、「死亡してから24時間以内は火葬できない」ということだけ。葬儀をせずに火葬のみで終えることもできるのだ。

では、火葬のみの場合、かかる費用の相場はどれくらいなのか。

まず、火葬のみの場合も、必ず葬儀業者の手伝いが必要になる。棺の用意のほか、病院から安置場所への搬送、ドライアイスの処置、火葬場の予約や進行などの人件費は最低限かかる。オプションとして、遺影写真の用意やお別れの際の花束、僧侶へのお布施や位牌、火葬場での待合室や待ち時間での飲食、心付けなどが必要な場合は、こちらも別途費用が必要となる。

費用の相場としては、最低限の用意で20万円から。これに前述した一通りのオプションを付け、僧侶に火葬場で読経をしてもらう場合には、約40万円ほど。つまり、オプションの有無で価格に倍以上の開きが出るため、何が必要で、何が必要ではないかを状況に応じて判断することが大切だ。

では、搬送のみの場合はどうか。病院などで亡くなった場合、病院から紹介された葬儀業者か電話帳などで調べた業者に搬送を依頼することになる。

注意点は、どの業者に依頼する場合も、まずは「搬送だけを依頼する」とはっきり伝えること。そうしなければ、葬儀の受注ありきで対応されてしまい、以後高額な見積もりが出されても断りにくい状況に陥る恐れがある。

費用の目安は、葬儀を依頼する業者に搬送を依頼する場合は、搬送のみの3万~4万円ほどで収まるが、そうでない場合は移動・人件費・安置などの諸経費が加わり、10キロ圏内の日中で約5万円~。8万円以内であれば相場の範囲内だ。搬送料金は、基本料金に距離で費用が加算されていくタクシーのようなシステムで、深夜の場合は割り増しになる。

なお、忘れてはならないのが「依頼業者の質」だ。これらは業者にとって、小さな仕事の部類に入るわけだから、いい顔をしなかったり、対応が粗雑になったりすることもある。


「小さな仕事は儲からないから引け目を感じる」という人もいるが、業者は棺を1つ販売しただけでも利益が出るようにできている。そこに人件費などを乗せるわけだから、儲からないことはありえない。たとえ火葬だけであっても自信を持って依頼すべきだ。対応が良くないと感じたら、ほかの業者に当たればいいだけのこと。

また、火葬のみで終えた人の中には、死を現実のものとしてとらえられず、精神のバランスを崩してしまう人もいる。あまりにもあっけなく終わるため、心に区切りをつけられないのだ。火葬の前夜には、家族だけで故人愛用の品を棺に納めるなど、「お別れをする場面」を設けるだけで、その後の精神状態は大きく違ってくる。こういう現実があることも知っておくべきだ。