2013年5月29日(水)

エリートコースからの卒業。制限のない環境で120%の成果出す

ワークスタイル3.0図鑑【3】起業+業務委託

PRESIDENT 2012年2月13日号

著者
大宮 冬洋 おおみや・とうよう
フリーライター

大宮 冬洋1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/

執筆記事一覧

大宮冬洋=文 向井 渉=撮影
1
nextpage
Zen Startup CEO 
宗像淳氏

「おまえ、いったい何を考えているんだ」。10年勤めた富士通を退職したとき、田舎の父親から大反対された。東大→富士通→アメリカ社費留学、と絵に描いたようなエリートコースを歩んでいた宗像淳は、当時どんな思いだったのだろうか。

「ご存じの通り、ITビジネスは非常に速く変化しているので安泰な企業などはありません。人材を内に抱え込みすぎている日本企業は、いい技術を持っているのに商品化に出遅れて、海外企業との競争に敗れてしまうことが多いのです。仕事をしながらずっと疑問に感じていて、2年間のアメリカ留学を終えてからは、『会社の外に出てみたい』という気持ちを抑えられなくなっていました」

11年6月にフェイスブックなどソーシャルメディアを使ったマーケティングを支援する会社を創業した宗像。しかし、いきなり起業できたわけではない。富士通退職後の3年間、2つのITベンチャーで経験を積みながら「人も予算もふんだんにはない」環境に体を慣らしてきた。

1社目は楽天。宗像が在籍した2008年当時でも約2000人の社員がいたというが、17万人も抱える富士通に比べれば十分に小規模だ。2社目は三菱商事とミクシィの合弁会社。社員は4人だった。父親をどう説得したのか。

「実家は東北なのでプロ野球好きな父は『楽天ならいいぞ』と(笑)。次の会社は『三菱の金が入っているなら大丈夫だな』とそれぞれ許してくれました」

球団名や社名で安心できるのは、ある意味では幸せな世代である。これからの日本を生きる若い宗像はそうはいかない。

「バブル世代までは上の真似をしながら一生懸命に働いていればよかった。でも、我々はどこを目指し、どうあればいいのでしょうか。どうしてもわからなくて、会社員時代から本を読んだり、英語を勉強したりと模索していました」

PickUp