この3冊に次ぐ必読書が『ウォール街のランダム・ウォーカー』と『フリー』の2冊。前書は、投資について理論・歴史・実践的方法を網羅したいい入門書。結果的に同書が勧めている「インデックスファンドで長期投資」という考え方は悪くない。

 

『ウォール街のランダム・ウォーカー』
バートン・G・マルキール/日本経済新聞出版社
投資の理論と実践を一般向けに語ったベストセラー。投資理論もさることながら、過去のバブル期の生き生きとした描写が、欧州危機やリーマン・ショックを理解する一助に。

情報がデジタルで流通するようになったことで、ビジネスがどう変わるのか……というテーマが、90年代後半から急浮上してきた。『フリー』はその基本書だ。経済の基本は前出『資本主義と自由』で相当部分は理解できるが、ネットワークのビジネスは、新しい事例と文献で勉強しておきたい。

 

『フリー』クリス・アンダーソン/日本放送出版協会
基本的なサービスや製品を無料提供するビジネスモデル“フリーミアム”を提唱。ネットワーク化されたデジタルコンテンツのビジネスの最も基本的な性質が書かれた1冊。

次の5冊は、基礎として読んでおいたほうがいいものを、最後の8冊は、テーマごとに選んでみた。読者の興味の対象に合わせて、追加的に読んでみてほしい。

 

『マンキュー 入門経済学』N・グレゴリー・マンキュー/東洋経済新報社
経済学のテキストの中で、今一番の定番。「経済学の10大原則を冒頭に掲げる構成が秀逸。経済学部を出ていない、出ても勉強していないビジネスマンでも手軽に読める」。

『現代ファイナンス論(第2版)』ツヴィ・ボディほか/ピアソン桐原
ファイナンスの理論と実務をカバーしたテキスト。「前半が“人生を通じた資金配分”といった時間と経済価値、後半がリスク計算。数学面のハードルはそれほど高くない」。